観戦記

第31代OB・飯野祐介さんの観戦記を掲載します。

観戦記  南山大学戦 平成22年6月20日 at半田運動公園陸上競技場


 


GRAMPUS 第31代OB
飯野 祐介 さん

 


先月、京都大学とのJV戦を見事に勝利で飾ったグランパス。
土砂降りの中、皆で手にした歓喜は記憶に新しいが、
前節から既に1ヶ月近く経過している。

その間に、20名以上入部した新入生もスタイル練習に加わり、
チームとしての厚みが増している。

新入生の中には、アメフト経験者も数人おり、
また運動能力の高い子も多いようで、
今後のフレッシュマンの活躍が大変楽しみである。

雨の中京都大学に勝利!!(写真左)
新たに仲間に加わったフレッシュマン(写真右)

本日は、半田運動公園陸上競技場にて、南山大学との一戦である。
梅雨に入ってまもないため、今日もあいにくの雨。

コンディションが悪いと、パスオフェンスが苦戦しそうだなぁ
と会場に着いて心配したりする。 さて、対戦相手である南山大学は、
正真正銘の名大グランパスのライバルといってよい。

近年の戦績を見れば互角の勝負をしており、
秋リーグ優勝を目指すグランパスにとっては越えなければならない壁である。

去年の秋リーグでは惜しくも敗戦しているため、
この試合に勝って雪辱を晴らしてほしいのはもちろん、
相手に「苦手意識」を植え付けられれば秋リーグは優位になるだろう。


昨年度秋季リーグは惜敗

時、雨がいったん上がり、
ぬかるんだ状態のグラウンドでキックオフを迎える。南山大学のキックにより試合開始。

力が拮抗しているだけにキッキングの出来で勝負がつくことも
考えられるので、緊張しながらボールの行方を確かめる。
#31若山くんのリターンで
自陣ヤード付近から1stダウンとなる。

先制点が欲しいな、と思いながらオフェンスの最初のシリーズ。
ランニングバックの#17溝口くんと
#29梶原くんを軸に攻めてフレッシュを繰り返し、
敵陣まで難なく進む。

「おお、今日のランニングバックは前が見えているし好調かな」
と期待する。
しかし敵陣30ydsまで攻めこんだところで、
#22安田くんへのTDパスを回続けて失敗し攻守交替。
手がボールに触っているだけに残念だった。

その後互いにオフェンスが続かずパントを蹴りあい、
2回目の南山オフェンス。
DE#59野田のロスタックルなど名大ディフェンスが踏ん張り、
何と南山自陣1ヤードでの4thダウンに追い込んだ!

これはチャンスだ。
もしかしたらセーフティをとれるかもしれないと期待もする。

4thダウンなので、南山オフェンスの選択肢はもちろんパント。
しかしフィールドポジションが悪すぎるため、
パンターはエンドゾーンの中にセットしている。

センターからスナップされたボールを
パンターがキックしようとすると、
猛進してきた#43上田が体を張ってブロック!!
そしてそのままボールを抑えてタッチダウン!!

このビッグプレーに会場も大盛り上がり。
ゴール前ということもあり、
「攻めるディフェンス」が功を奏したようだ。

名大の「攻めるディフェンス」でのタッチダウン!!

このタイミングで先制点をとれた意味は大きい。
まだ1本差だが、少し安心して観戦できそうだ。
PATも#17溝口が決め、7-0。
名大のキックにより試合再開。

南山オフェンスはショートパスとRB#7のランプレーを軸に攻めているものの、
名大ディフェンスを相手になかなか大きなゲインを奪えない。

一方、名大オフェンスも、
#21伊藤の中央プレーでゲインを重ねるが、
肝心なところでパスが決まらない。

見るところQB#9友枝の調子は悪くないだけに、
プレーが繋がらないのがもったいないように感じられた。

第2Qからはフレッシュマンも入り始め、
中でもセーフティとして出場した#2クワメイが見せた、
アウトパス捕球後のレシーバーへの
素早いタックルは圧巻だった。


本場のプレーが光る#2クワメイ・サーシー

第2Q終盤、
時間もないため、ロングパスを試みるもあえなく失敗。
双方攻めきれないままハーフタイムを迎える。
やはり拮抗したままゲームが進んだなぁという印象だが、
その影には名大ディフェンス陣の活躍があるのだろう。

特に中央付近のプレーは全く出されておらず、
DLとLBが上手くラッシュをかけられていたと思う。
ハーフタイムショーは南山チアがずらりと並んで踊っていた。

対して名大応援団は2人…。
量より質だと思うが、体育会の中でも活躍しているアメフト部を
応援してくれる学生さんが増えてほしいと感じた。さて第3Qが始まる。


グランパスのキックオフで後半開始

後半は南山大学が必ず点を取りに来るだろう。
名大キックを中央付近まで押し戻されて1stダウン。

ちょっとまずいかと思いきや、
DB陣のパスブロックと相手の反則もあり、逆に押し返す。
3rdロングから放たれたミドルパスを#43上田が弾き、
それを直接#14藤居がキャッチし、インターセプト!!!

そのまま走って中央付近から名大オフェンスとなる。
またもや名大ディフェンスのビッグプレーだ。
この流れを保ったままドライブしていきたいところだ。


#14藤居のインターセプト!!

名大オフェンスは、QBが#29梶原に代わる。
彼自身も走る力があるので、
このオフェンスシリーズに期待が膨らむ。

しかし、WR#84へのパスが通らずパントに追い込まれてしまった。
続く南山の攻撃は、短いゲインを積み重ねながらも要所で、
名大LB陣、DB陣の詰めがよく、簡単にフレッシュを許さない。

少し気になったのは、パスを捕球した後のレシーバーに何度か
10ヤードほど走られてしまったことだ。

目の前にいるDBが少し足がとまってしまっていた場面があるし、
最初のタックルで仕留められないシーンもあった。

第3Qの終盤、相手オフェンスに押し込まれて、
名大自陣30ヤード付近まで攻め込まれたシーンがあったが、
南山RBがここでファンブルしてしまい、難を逃れた。

この後、WR#84小野へやっとパスが通り、
安心するのもつかの間、
試合はいつの間にか第4Qに突入していた。

すぐに相手の放ったパスをLB#5杉浦がインターセプトし、
敵陣深くまでボールを進めてチャンスとなった。

「よし、オフェンスでTDをとってくれ」
と思いながらゴール前の攻撃を見つめる。

しかし、#23や#17のランプレーがスクリメージライン付近でことごとくつぶされ、
ゲインのないまま4thダウンに。

行ったプレーは#22へのサイドラインいっぱいのパスだが、
南山DBの厳しいマークにあい失敗に終わる。
「あーもうちょっとなのに…」と観客席から声が漏れる。

この後の南山オフェンスは、
名大LB陣がしっかりとプレーに対応して
大きくゲインを許すことはさせなかった。

フレッシュマンLBの#55伊藤のQBサックも飛び出し、
最後まで相手に得点を与えることはしなかった。


デビュー戦でQBサックを決めた#55伊藤豊大

南山大学がパントを蹴り、
名大ボールになったところでタイムアップ。
7-0と1本差ではあるが、見事勝利を収めた。

全体的な印象として、南山大学は反則による罰退が多く、
試合の主導権をなかなかつかむことができなかったようである。

一方、名大ディフェンスは特にフロントが安定しており、
相手オフェンスと互角以上の勝負をしていた。
しかしオフェンスで点をとることができなかったのが残念。

俊足のRBとWRがいるだけに、
良いフィールドポジションでの攻撃となった際に
確実に得点をとれるような安定力が備われば
さらに強いチームになるのではないだろうか。

次回の三重大学戦は、春シーズンの集大成であり、
今日以上にフレッシュマンも出場して活躍することが予想される。

冬のオフ期間のトレーニングから積み重ねてきたものを
全部発揮して良い形で春をシーズンを締めくくってほしい。

頑張れ、グランパス!!!



ご声援ありがとうございました!!!!

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