観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記  名城大学戦 平成24年9月30日 at名古屋商科大学ラグビー場



GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん

開幕から順調に2連勝したグランパス。
今日は強敵、名城大学との試合が
名古屋商科大学グランドで開催される。
我グランパスが念願の単独優勝を勝ち取るためには、
今日勝利することが絶対条件である。
選手・スタッフ、コーチ陣は
、今日この日の勝利のために
頑張ってきたといってもよいかもしれない。

先日、他校の試合を見学に行ったとき、
隣りに名城の選手たちがずらりと座っていたが、
彼らの体は大きく、無差別級の柔道選手ではないか
と思われるような見事な体格をしていた。
私は彼らを見て、「こんな選手たちとやって勝てるの??」
という素朴な疑問を持ってしまった。

冷静に判断すると、個々の選手の体格、能力は名城の方が上ではないかと思う。
力が上とはいえ、では、グランパスは全く不利かと言えば、
そうフットボールは簡単ではないと私は思っている。
事実、ここ数年グランパスは名城に負けているとはいえ、いずれも接戦の内容である。

本日は強力な台風が東海地方に接近しており、
開催が危ぶまれたが何とか行なわれることになった。
しかし、風雨共に強くコンディションはかなり悪い。
今日はこの悪天候だから何が起こるかわからない。

激しい雨の中行われた名城大学戦

もちろん、この悪天がどちらのチームに有利、
不利に働くかは「神のみぞ知る」であるが…。
とにかく、グランパスは先取点を挙げて、
試合を常にリードする形で進めることが勝利への道だと思う。
名城にリードされる展開では、力のある名城が絶対的に有利となるのは明白だ。

注目の試合は風雨激しい中、グランパスのキックで始まった。
名城は自陣35ヤードからのオフェンスとなる。
3rdダウンで、名城QBはロングパスを投げる。
WRがエンドゾーンに向かって疾走する。
ボールはWRにキャッチされてしまう!と思った瞬間、
CB#11キャプテンの竹腰君が横から入ってボールをカット!
素晴らしいプレーだった。

見事ボールをカットした#11主将竹腰

名城は4thダウンパントとなったが、
スナップされたボールは悪く、パンターはキャッチできず、
ボールはグランドをころがる。
パンターは蹴ることができず、ボールデッドとなる!

グランパスはゴールまで18ヤードと絶好の位置からの攻撃となった。
やはりこの大雨の中、名城選手は手を滑らせたようだ。
強敵相手にまず、大チャンスが訪れた。
しかし、ランはあまり進まず、パスも通らず、
4thダウンとなって、35ヤード前後のフィールドゴールを狙うも、
外れて先制ならず…、残念。

名城は自陣20ヤードからの攻撃を、
まずQBキープでロングゲインして中央まで進む。
続いてランプレーが決まって連続してフレッシュを奪う。
そして、最後はQBキープにまたしてもやられて、
タッチダウン(TD)を奪われてしまった。
0-7。
とにかく先制点を奪われたくなかっただけに、
ひじょうに悪い展開だ…。

グランパスは自陣24ヤードからの攻撃を、
RB#21伊藤君と#24松谷君の
ナイスランでフレッシュを奪う。
そしてWR#6石川君へのロングパスが決まって
よい攻撃になりかかったが、
その後は名城の守備陣に抑えられてパントとなる。

#24松谷のナイスラン

第2Q開始。
名城は自陣40ヤードからの攻撃だったが、
グランパス守備陣はこれを押さえパントとさせる。
名城パンターの蹴ったボールは雨天の空を高く飛び、
エンドゾーン内でボールは跳ねる。
これをグランパス選手が押さえにかかるが、
ールに触れた後、うまく押されることはできない。
走ってきた名城選手がこのボールを抑えて、
な、なんとTDとなってしまった…。
0-14。

「?…、…?、そんなことってあるの?」
私は現実を受け入れることができない。
正直言って、名城相手に2本も先にTDを取られてしまったのでは、
どうしようもない…勝利がはるか遠のいていく…。

グランパス自陣34ヤードからの攻撃は、
#6石川君へ15ヤードのパス成功。
#21伊藤君が10ヤード走って連続フレッシュ獲得。

フレッシュ獲得する#21伊藤

よい攻撃だったが、次のシリーズでは4thダウンギャンブル失敗し攻守交替。
名城はフレッシュを続け、
グランパスゴール近くまで進み、
最後はFGを決めて、17-0となってしまった。
名城相手にこの点差では…言葉もない。
私の気持ちも切れかかってきた。
ひょっとするとこの試合は大差をつけられてしまうのではないか、
と心配が募る。

グランパス選手・スタッフには申し訳ないが
気を取り直して応援しようと思うが…、
私の心は限りなく沈んでいく…。

グランパスは自陣29ヤードからの攻撃だが、
QBは#2梶原君に代わって、#4安田君が入っている。
安田君は自ら走って30ヤードゲインする。
次に、安田君はドロップバックすると名城選手が押し寄せてきて、
「これはサックされる」と思った時、
半身の体勢からパスを投げた。雨の中、ボールは力なく飛ぶが、
その先では石川君が名城CBとボールの取り合いとなる。
石川君はうまくキャッチして30ヤードのゲイン!
これは石川君の見事なプレーでした。
ゴールまで1ヤードから安田君のキープによりTDを何とか奪った。
7-17。

#4QB安田のキープによるTD獲得

前半終了。

この強い雨の中、両チームともボールコントロールが難しそうで互いに大きなミスをしている。
仕方ないことか。
しかし、名城相手に10点差をつけられているというこの現実はあまりにも、厳しい。
名城の重量級ライン陣はやはり強く、
グランパスのランプレーをコントロールしている。
でも、何とか一本は返したので、
後半、私も心を入れ替えて応援しなければと思う。

後半開始。

グランパスは自陣11ヤードからの攻撃開始となった。
石川君へ9ヤードのパス成功し、
続いて伊藤君が21ヤード走る。
なかなかよい攻撃だと思ったが、後が続かず、パント。
名城もフレッシュとれずにパント。
グランパスは自陣20ヤードからの攻撃。
ここで、名城のパーソナルファールが連続して起こり、
名城陣30ヤード付近まで進む。
名城選手は焦っているのだろうか?
しかし10点差をつけてリードしているのだから
冷静に試合を進めればよいのに、と思う。

ファールで30ヤードももらったグランパス。
これはチャンス到来と思ったが、
ゴールまで20ヤードのところで、4thダウンとなりFGを狙ったが、
外して、依然として7-17だ。
名城は自陣20ヤードからの攻撃中、
QBキープで横に走っているとき、グランパス選手の強烈なタックルにあい、
ボールをファンブル!
これをグランパスLB#55伊藤君が抑えてターンオーバー、攻守交替!
TDまで12ヤードの位置だ。
ここは冷静に攻めて、最後は安田君が6ヤード走ってTD!
14-17。

心落ちしていた私は、俄然元気になってきた。
この悪天候の中、名城は多分焦っていると思う。
これはグランパスにも勝機がくるぞ!

第4Q突入。
名城は自陣40ヤード付近からの攻撃も4thダウンとなりパントとなる。
スナップされたボールは悪く、
名城パンターの頭を通り越す!
パンターは何とかボールを取って蹴ろうとするも、
グランパス選手がなだれ込み、パンターはパスを投げた。
その先には誰もおらず、審判からイエローフラッグが飛ぶ。
これは明らかな、インテンショナルグランディング
(レシーバーがいないところにパスを投げること)の反則だ。
なんと、ゴールまで11ヤードの位置だ!
「棚からぼたTD(餅)」とはこのことである。
このチャンスを逃してはいけない!

しかし、ここは名城の強力ディフェンスにあい、
4thダウン5ヤードとなってしまった。
安田君はドロップバックする。
エンドゾーンの中にはWR#12亀井君がいる。
投げられたパスは名城DBとの勝負になったが、
亀井君は見事にキャッチ!TD!
トライフォーポイントも決まる。
ついに、ついに、ついに、21-17の大逆転だ!!!
大雨の中、選手たちも、観客席も大騒ぎだ。

ボールを見事キャッチする#12亀井

続く名城の攻撃を抑え、
グランパスは自陣31ヤードからの攻撃となる。
中央のランプレーで飛び込んだ#21伊藤君は名城LBと正面衝突し、
ボールをファンブルして、名城が押さえる。
でも、このファンブルは防ぎようがなかった気がする。
仕方がない、ディフェンス頑張れ!

次のシリーズ、名城はグランパスゴール近くまで進むも、
グランパス選手の激しいタックルにあい、
ボールをファンブル!

激しいタックルを繰り出す名大ディフェンス

ボールはころころと転がり、エンドゾーン内に入る。
雨が激しくどちらがボールを押さえたか、よくわからない。
しかし、審判の両手が上を向いているのがわかった。
なんと、名城選手がファンブルしたボールはエンドゾーン内で名城選手が抑えたのだ。
神は名城に微笑んだのか…。21-24とリードを奪われる。

グランパスは最後激しく攻めるも、
逆に名城に致命的なTDを奪われて、
21-30となってゲームセット…。

「うーん」私は思い浮かぶ言葉がでてこない。
ただ「悔しい」だけだ。
エンドゾーンに転がったボールをグランパスが押さえていれば…、
悔しい。

0-17と名城にリードされた時は、
正直私の心は切れて、完全にギブアップした。
しかしグランパス選手の素晴らしい根性で一度は21-17と逆転し、
私も生き返ったのだが…。
心の整理がつかない。
グランパスを14年間応援してきたが、
今日が一番悔しい…。

激しく降る雨の中、両大学の応援歌が流れていく。
涙している選手、スタッフにはかける声もない…。
切な過ぎる…。

 これで単独優勝の望みはほぼ消えた。
しかし、名城VS中京戦の結果次第では、
まだ「優勝」の望みが消えたわけではない。
選手・スタッフ諸君は気持ちを切り替えて、切り替えて、
あと二試合を全力で戦って欲しい。
頑張れグランパス!!頑張れ中京大学(笑)。

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