観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記  名城大学戦 平成19年10月21日 at名古屋市港サッカー場



GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん

10月に入っても、なかなか涼しくならなかった東海地
しかし今日は見上げればどこまでも青空が続き、とても涼しい。

快晴の下、名城大学との優勝をかけた一戦が名古屋港サッカー場で行なわれる。

強敵、中京大学と南山大学に勝利し、グランパスにとっては何年ぶりかの優勝がかかっている。
前評判では、名城大学はかなり手ごわいとのことだ。
しかし、何とか勝利して優勝して欲しい。
名城とは一昨年、見事な試合内容で勝利したのが忘れられない。

グランドの応援席に着くと多くのグランパス関係者、ご家族の方の姿が見える。
試合開始直前にはその数は100人を超えていた。
なんとも心強い限りだ。

私の傍らにはグランパス設立時のOBがいらっしゃり、彼の解説付きでの観戦となった。
私としてはたいへんありがたいことだ。

名城のキックオフで試合開始。

広い青空に蹴られたボールが空高く飛ぶ。
風上から蹴られたボールはエンドゾーンまで飛んだため、グランパスのリターナーは15ヤードまでしか返せなかった。

さあグランパスの攻撃開始だ!

しかし、最初のシリーズは名城の好ディフェンスによりパントとなった。
名城の攻撃もグランパスの強力なディフェンスのため、パントとなるがグランスの次の攻撃もパントとなる。

序盤戦は両チーム共パント合戦とる。
まずは静かな立ち上がりだ。

第1Q終了近く。
名城は中央付近からの攻撃をショートパスとランでゆっくり攻め、1stダウンを繰り返す。

気が付けば、グランパスのエンドゾーン近くまで来た。

11分過ぎ、最後はRBの10ヤードランをあっさり決められ、先制タッチダウン(TD)を奪われてしまった。
ポイント・アフター・タッチダウン(PAT)も決められ、0-7となる。

「………。」

第2Qに入る。

互いに攻守交替を繰り返しながら時間は過ぎていく。
前半終了直前、グランパスは中央付近からの攻撃で、QB#9吉田君からWR#8中村君への40ヤードのロングパスが決まり、
名城のエンドゾーン前10ヤードまで来た。
ビッグチャンスだ!

しかし、時計を見るとなんと前半残り「2秒」となっている。
ということは、あと1プレーしかないということだ。
ここは、TDパスだろうと思うが、裏を書いて、オープンへのランか?はたまた、グランパスお得意のリバースプレーか?

前半最後のプレーに観客も固唾をのんでグラウンドに注目している。
ここは何とか1本取り、同点として後半に入りたいところだ。

プレーコールの後、QB吉田君はドロップバックする。

名城のDLが怒涛の如く吉田君に襲いかかる。
しかし吉田君は素早くパスをエンドゾーンにいたWRに投げた。

「TDだ!」
と思った瞬間、ボールはむなしく地面をころがっていた…。

0-7で前半終了。

前半を見る限り、1本TDを取られてはいるが、五分五分の内容ではなかったかと思う。
1本差なら、どうなるかわからない。

相手は強豪なので、肝心なのはTD2本差をつけられないことだ。
また、前半は10ヤード前後のパスがよく決まっている。
名城のDB陣はかなり後ろ目で守っているが、
それは余裕のディフェンスを意味しているのかな?と素人ながら私は思った。

グランパスのキックで後半開始。

名城は自陣25ヤードからの攻撃開始だ。
グランパスのパスインターフェアがあり、名城は中央付近まで進む。
名城はランを中心にじりじりとグランパス陣深くまで進む。

最後はRBのショートランを決め、TDを奪われる。
応援の観客の皆さんは、ため息をつく。
残り時間はたっぷりあるが、正直って、強豪相手にTD2本差はきつい。

私はなぜかぼーっとしていた。
いつもの気合が入ってこない…。

そんな間に、気づけば名城は40ヤード近いTDパスを決めていた。
「ううん?」私は現実が飲み込めない。
後半始まってあっという間に、2本のTDを取られてしまった。
致命的な3本差となってしまった。
ずるずるといってしまいそうな悪い予感がしてきた。

0-21。

しかし、何とかグランパスは必死のディフェンスで名城の攻撃をしのいでいる。

第4Qに突入。

始まってすぐ、グランパスは中央付近からRBの独走ランがあった。
審判の両手が上がる、TDだ!

選手たちは大喜びだが、グラウンドには嫌なイエローフラッグが2枚ポツンと見える。
グランパスはみえみえの、背後からのブロックによる反則を犯してしまった。

仮に反則がなければランは止められていたかもしれないので、
「まあ、仕方ないわ…」と私は気を取り直す。

その後、グランパスは時間がないので、パスを繰り返すがTDまでには至らない。
時間は残酷に過ぎていく。

しかし、10分ころWR中村君への34ヤードのTDパスが決まり、何とか1本取り返した。

次のキックは当然オンサイドキックだが、これを名城は難なく押さえ、これで試合は決まった。
名城の試合終了のカウントダウンが空しく聞こえてくる。

これで、名城の優勝は決まってしまった。同時に、グランパスの2位もほぼ決まった。

いろいろな見方はあると思うが、正直言って今日の試合は力負けだと私は思った。
大きな差はないと思うが、名城の方が一枚上手だったと言わざるを得ない。
グランパスのミスはあったかもしれないが、それは致命的なものではなかったと思う。

いかんせん、強豪相手に先手先手を打たれ、TD3本差を付けられては、勝負にならなかった。
予想通り、名城は強かったです。

名城の優勝は決まったが、仮に名城が最終戦で星を落とし、
グランパスは三重大学との最終戦に勝利すれば、関西リーグ入れ替え戦を賭けて再度名城と試合ができるようである。
まだ希望がないわけではない。

選手、スタッフの皆さんは気落ちしないで、最終戦の三重大学との試合を有終の美で飾ってほしいものだ。

頑張れ、グランパス!!

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