観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記 南山大学戦 平成27年9月20日 at長良川球技メドウ



GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん

開幕の愛知学院大戦には、無難に勝利したグランパス。
今日は春に負けている南山大学との一戦が、長良川メドウ競技場で開催される。
シルバーウィークの連休中で、各道路は大渋滞しており、
私はキックオフぎりぎりの時間に間に合った。

春の南山との試合では、グランパスは攻守ともかなり不安定であったが、
その後ある程度修正しており、今日はかなり期待できる。
私は前週の南山対中京戦を観戦したが、
南山はミドル&ロングパスに長けており、パスには要注意だと思う。

今日、グランパス側にはずらっとチアリーダーの皆さんが応援してくれていて、
誠に華やかで盛り上がります。
快晴のメドウ球場で試合は始まった。

グランパスのキックを南山は自陣25ヤードまで返して攻撃開始。

K#89石井(写真左)

南山はQBキープで12ヤード獲得。
続いて13ヤードパス成功。
ここでLB#52櫻井君が南山のパスをインターセプトし、南山陣まで走る!
「やったぞ」と喜んだら、グランドには不気味な黄色い布が落ちている。
グランパスのラフィングザパサーの反則だ…幻のインターセプトとなってしまった。
南山はゴール近くまで進み、フィールドゴール(FG)を決めて、
まずは0-3とリードされる。

グランパスは自陣35ヤードからの攻撃。
RB#26羽田君が左オープンを8ヤード走る。
引き続き羽田君が25ヤード走るもイリーガルフォーメーションの反則により、
幻のロングランとなってしまった。
グランパスはパントを試みるも、
これを南山選手がブロックして南山は自陣40ヤードからの攻撃。
南山は25ヤードパスと26ヤードのランでゴール直前まで迫る。
最後は右端にショートパスを決められ、タッチダウン(TD)を取られる。
0-10。

グランパスは伝統的?にスロースターターで第1Qは調子が悪いが、
今日も大きなミスが続き悪い雰囲気だ。もったいない。

グランパスは自陣41ヤードからの攻撃。
QB#12半田君からWR#9中島君へ9ヤードパス成功。
グランパスの強力なパスパターンだ。
続いて大型RB#44成瀬君が力強いランで11ヤード走る。
そしてWR#24村瀬君が12ヤードパスを上手くキャッチする。
最後は羽田君が右へ左へのカットバックを見せ、21ヤード走ってTD!
7-10となる。よい攻撃だったので私はほっと一息。
これでグランパスも落ち着いて試合できると思うが、どうだろうか。

 

WR#9中島  RB#26羽田

南山は自陣20ヤードからの攻撃で、ホールディングの反則を犯す。
苦しい位置からの攻撃だったが、DL#55関井君のQBサックが決まった後、
南山がインテンショナルグランディングの反則を犯す。
ここで第1Q終了。

DL#55関井

第2Q開始。
南山は4thダウン、パントを選択。
グランパスは自陣40ヤードから攻撃。
WR#28鈴木(健)君へ12ヤードパス成功。
ランプレーとショートパスでゴールに近づき、
4thダウンより36ヤードのFGを決めて10-10の同点となった。
グランパスは攻守とも力を発揮しつつある。

WR#28鈴木(健)

南山は攻撃が続かずパントとなって、
グランパスは自陣30ヤード付近からの攻撃開始となる。
鈴木(健)君へ10ヤードパス成功。
羽田君が何度も走って、ゴールに近づく。
最後は成瀬君が右オフタックルを走りぬけTD!
17-10とリードした。グランパスは非常によいリズムに乗ってきた。

次の南山の攻撃を、LB#47橋本君がパスインターセプト!
グランパスはゴールまで17ヤードと絶好の位置からの攻撃開始だ。
ここは絶対TDを取って欲しい。
と思う間もなく、成瀬君が右オープンを17ヤード走りぬけTD!
24-10。

 

RB#44成瀬            LB#47橋本

南山ディフェンスは粘りがなく、
グランパスはこの調子で行けばひょっとすると楽勝になるかもしれない、と思う。

と油断していたら、南山は前半終了間際ロングパスを一発で決めてTDを奪い、
24-17とする。
残り時間は10秒余りだったので、ロングパスは見え見えだったから
何とかならなかったのかなあ、と私は思った…。

しかし0-10までリードされ一時はどうなることかと思ったが、
その後のグランパスの攻守は見事で、
後半グランパスは差を広げるのではないかと思う。

後半開始。
グランパスは自陣32ヤードから攻撃開始だ。
中島君が片手でボールを取るという名人芸を見せてくれたが、
次のプレーでは南山にパスインターセプトされ攻守交替となってしまう。
その後互いに決め手がなくパントを続けて第3Q終了。
24-17。

第4Q開始。
グランパスはランとパスを決めて進むが、TDを奪えず、
FGの3点を決めて、27-17と10点差をつける。
残り時間は7分となって10点差があり、
まあグランパスの勝利は決まりかかっていると言ってよいだろう。
DB#34堀田(繁)君の南山リターナーへのナイスタックルがあり、
南山は自陣21ヤードからの攻撃だ。

DB#34堀田(繁)

南山は続けてホールディングの反則を犯し大きく後退する。
何ともラッキーだ。
南山は4thダウンパントとなったが、
ここでセンターからパンターへのスナップが大きく外れ、
南山パンターは自陣エンドゾーン内でボールを押さえ、セイフティとなった!
この2点は誠に大きいと思う。
29-17。

残り時間も5分少々で12点差となったので、
ほぼこれでグランパスの勝利は決まったと私は思った。
というのは、残り時間5分で南山はグランパスの攻撃をまず抑え、
それから反撃しTDを奪って、オンサイドキックでボールを奪い、
そしてTDを取るというストーリーでしか勝利はない。
これはよく考えることだが、アメリカのNFLならまだしも、
東海大学リーグではそんな奇跡のようなことはまず起こらないのである。
だから私は安心しきっている。

グランパスは中央付近からの攻撃だったがパントとなる。
残り時間は3分と少々。グランパスの勝利はほぼ確定された。
南山は自陣27ヤードからの攻撃。
グランパスはパスインターフェアの反則を犯す。
続いて南山は14ヤード、16ヤード、17ヤードと三本連続パスを成功させる。
そして26ヤードのTDパスを成功させ、29-24となってしまった。
4本もばればれのミドル&ロングパスをいとも簡単に決められてしまい、
何とか止められる方法はなかったのかと思う…。
29-24。残り時間は1分24秒。

あと一本TDを取られたら逆転となってしまう。
しかし、まず南山はオンサイドキックでボールを取らなければならない。
まあ、世の中そんな甘くはないのだ。

南山は予定通りオンサイドキックをする。
ボールはころころところがり、これを南山選手が抑えてしまう…。
「どういうこと?」私は事態が飲み込めない。

南山はグランパス陣45ヤードからの攻撃。
誠に雲行きが悪い。残り時間はまだ1分少々あるのだ。
ここで、グランパスは致命的なパスインターフェアの反則を犯してしまうが、
まあこれも全力のプレーの結果だから仕方ない。
と思う暇もなく南山はTDを奪ってしまった…。
信じられない、南山にとって世の中は甘かったようだ。
ついに29-30と大逆転をくらってしまった。
南山選手、応援席は大騒ぎだ。
残り時間3分で二つのTDを奪われるとは…言葉が無い。

しかし残り時間は40秒あるから3~4回攻撃はできる、と思ったが、
グランパスは三回のタイムアウトを使い切ってしまっている。
情けないが、私は諦めかかった…。
私は失意の中、南山のポイントアフタータッチダウン(PAT)を見る。
一点差のリードで、ここは蹴っても二点差にしかならないので、
南山は2ポイントコンバージョンにきた。
これは当然の選択である。ボールはスナップされた。

グランパス守備陣が襲いかかる。
南山QBがボールを投げた瞬間、DEに入っている成瀬君は大きく手を伸ばす。
成瀬君の手にボールは当たり、グランドにころがる。
これを反対側のDE関井君が拾う。そして走る!
前には誰もいない、いない!!「ええっ」
「走れ、走れ、走れっ!」
関井君はRBでもWRでもないので足は速くないが、南山選手はかなり後ろにしかいない。
走って、走ってエンドゾーンに届いた!90ヤード近いランだ!

 

DL#44成瀬            DL#55関井

な、な、なんと大逆転のPATのファンブルリカバーからの得点だ(TDではない)。
2点を奪って31-30となった!
信じられないというのはまさにこのことだ。
諦めていた勝利が転がり込んでくる。
グランパスはキックのボールを取れば、後はQBのニーダウンで試合終了となる。
そして、グランパスは蹴られたボールをがっちり抑えて試合終了。

31-30で薄氷の勝利を得た。
私は長年フットボールを見てきたが、
最後の最後に2ポイントコンバージョンのボールを奪い取って逆転するなんてことは、記憶にない。
16年間私はグランパスを応援してきて、これほどの逆転劇は初めてのことだ。
第4Qでほぼ勝ったと思ったところ、南山の怒涛のパス攻撃にあい、
オンサイドキックも取られて大逆転をくらいもう負けたと思ったが、
とんでもない幕切れとなった。
南山の選手ご関係者には余りにも辛いラストシーンだったと思われる。

なんとか、グランパスは勝利して優勝への望みをつないだ。
一体、今日の試合は何と表現してよいのだろう。
試合終了近くまでは勝利がほぼ決まっていたが、そこから大逆転をくらい、
そして、信じられないプレーがでて再逆転。
私自身、試合終了後も気持ちの整理がつかない。
ずっと負けていて最後に逆転!という展開であれば素直に喜べるが…。
まあ、こんな試合もあるんだなあと複雑な気分になった。
人生?もフットボールも思うようにならない、
と今更ながら思い知らされた試合だった。
今日は途中まで良い流れだったが、
試合終了間際にあれだけパスを許したことには反省点を多く残したと思われる。
戦術か戦略に問題があったのかどうか私にはよくわからないが、
もう一度再点検をして次の中京大学戦にのぞんでほしいものだ。
しかし、グランパスにとっては反省材料がみつかってよかったと、
ここは前向きに私は捉えたい。
ファイトオン、グランパス!

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