観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載いたします。
観戦記 名城大学戦 平成25年10月12日 at長良川球技メドウ
GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん
さあ、いよいよ決戦の日が来た。
今日はグランパスにとって、1990年以来の単独優勝が決まるかもしれない日だ。
長良川球技メドウにて、名城大学との試合が東海リーグの単独優勝を賭けて行なわれる。
グランパスも名城もここまで三連勝の無敗で来ている。
中京、南山は既に二敗しているので優勝はない。
名大も名城もたとえ最終戦で負けても、今日勝った方に単独優勝が決定する。
文字通りの一騎打ちとなった。
つい二年前、グランパスは確かに優勝はしたがそれは三校同率優勝であったので、
今日は真の単独優勝のチャンスがきたのだ。
グランパスは過去三試合、まあ無難に勝利してきた。
試合展開によって下級生を多く投入したこともあったので、それほど大差をつけて勝利したわけではない。
一方、名城は三試合とも圧倒的な大差で勝利している。
点差だけ見れば、グランパスが不利のようには思えるが、どうなんだろうか。
名城には2005年以来負け続けているが、ここ三年ばかりは接戦を繰り返している。
台風の影響で大荒れの天気の中、惜敗した昨年の名城大学戦
今日こそ、勝利してほしいものだ。
試合のキーポイントは、グランパス得意のパスプレーがどの程度決まって、
名城のランプレーをどの程度抑えることができるかだと思う。
名城の三試合の試合スタッツ(記録)を見ると、
大差で勝利した割には相手チームに結構ランを出されている。
グランパスのパスは東海リーグでは一番の脅威であることは間違いなく、
名城もかなりパスプレーには備えてくるだろう。
ということは、逆にグランパスのランプレーもキーポイントになるのかもしれない。
また私は個人的にQBキープが名城には効くと思っているが…。
グランパスは試合でプレー可能なQBが三人もいるので、どんどん走ると面白いのではないかと思う。
グランパス守備陣は中京戦でいいようにランプレーを許してしまったので、
逆に薬になり、今日はよいディフェンスを見せてくれるのではないか。
そして、とにかく先取点を奪って、常にリードした展開で進めればよいが、などといろいろ私は考える。
私は1999年からグランパスを応援しているが、過去、名城と優勝を賭けた試合はあった。
しかし正直言ってその時は力の差があり、試合前からグランパスは勝てないと思っていたので、
今日こそは私にとって実質的に初めての単独優勝が期待できる日だ。
試合開始のセレモニーの様子
快晴のさわやかな天候の下、名城大学のキックで試合は始まった。
グランパスは自陣27ヤードからの攻撃開始となる。
しかし、ランもあまりゲインできず、パスも失敗しパント。
名城は自陣30ヤードから攻撃。いきなり名城は9ヤードランと5ヤードランでフレッシュ獲得。
続いて、RBの8ヤードランとQBキープで20ヤード獲得。
ゴールまで20ヤードの位置で4thダウンギャンブルとなったが、失敗。私はほっと一息。
ふと気づくと、グランパスの今日の守備体型は4-4となっている。
いつもは4-3だが、LBを一人増やしている。
ということは普通に考えれば、パスよりもランに対応しやすい体型と考えてよいだろう。
名城は明らかにラン中心のチームだから、グランパスは考えてきたようだ。
この体型がどの程度効果的か見ものである。
この試合、名城のギャンブルプレーを何度も止めたディフェンス陣
グランパスは自陣20ヤードから攻撃。QB#4安田君からミドルパスが投げられたが、
これを名城LBがインターセプト。攻守交代「…」
名城はQBキープで15ヤード獲得。ここで、グランパスはオフサイドの反則を犯す。
ついにゴール直前まで来てしまった。しかし、名城は連続してホールディングの反則。
続いて背後からの不正なブロックの反則を犯し、大幅に罰退。
結局、名城は30ヤード前後のFGトライとなるも、これを外す。
なんともラッキーだった。このピンチを凌いだのは大きい。
グランパスは自陣20ヤードからの攻撃だったが、まったく進まずパントなってしまう。
第2Q開始。
グランパスは攻撃が続かず、自陣ゴール近くからパント。
しかし、このパントを名城選手がブロック!
な、なんと名城はゴールまで1ヤードの位置からの攻撃となり…簡単にランでTDを取る…。
とにかく、先制点を取られたくなかったが…、仕方がない。0-7。
グランパスは自陣30ヤードからの攻撃だったが、
名城にパスインターセプトされターンオーバー(攻守交代)となってしまう。
名城のDLは強力でグランパスOLは押され気味だ。
結果としてQBは高いプレッシャーの下でパスを投げることとになり、
コントロールが難しいのではないかと思う。
名城は自陣40ヤードからの攻撃だったが、グランパス守備陣の活躍でパントとなる。
グランパスは自陣30ヤードからの攻撃。
QBキープで5ヤード獲得。TE#82大常君へ6ヤードパス決まり初フレッシュ獲得。
RB#44成瀬君が5ヤードランの後、RB#22藤井君へ7ヤードパス成功。
続いて、安田君のキープで12ヤード獲得。いい流れになっている。
ゴールまで25ヤード地点で4thダウンとなってしまったが、ここはFGを狙わず、パント体型をとる。
しかし、蹴ると見せかけて安田君はパスを試みる。
左オープンには完全にフリーとなっている成瀬君がいるではないか!
投げられたボールは成瀬君の胸に入って、エンドゾーンに向かって走ってTD!!
「やったあ!!!」見事なTDだった。
しかし、TFPは外して、6-7となる。
これでほぼ振出しに戻った。さあ勝負はこれからだ。
見事TDを決めたRB#44成瀬圭汰
名城は自陣28ヤードから攻撃。
RBが12ヤードランの後、QBがロングランを二本簡単に決めてゴールまで12ヤードとなる。
そして、簡単に中央を走られTDを奪われてしまった。TFPは失敗するも6-13とリードされる。
名城のランプレーを止めることができない…。
6-13で前半終了。
予想通りの接戦となっているが、
正直言って、ライン戦でグランパスは負けていて、ランはほとんどでていない。
また名城DLは強力で、QBも強いプレッシャーの中で投げざるを得なくて、
正確なコントロールが難しそうだ。パスでもあまりゲインできていない。
逆に、名城QBと#3のRBの二人にいいように走られている。
せっかく4-4にしているので、何とか二人を止められないのかと思うが…。
でも後半はグランパス得意のパスプレーで、WR陣のスーパーキャッチを期待しよう!
後半開始。
名城は自陣40ヤードからの攻撃開始となる。
DB#10波多野君のナイスタックルなどはあったが、次々とランを決められて、
ゴールまで近づき最後はまたしてもQBに走られてTDを許してしまった。6-19となる。
「うーーん、2本差かあ、厳しいなあ」
ランではなかなかゲインできないので、ここはグランパス得意のパスプレーでTDを重ねてほしいものだ。
名城のキックを、石川君がナイスランで名城陣30ヤードまで返す!
さあ、さあ、これから怒涛の攻撃を見せてほしい!
しかし、ランは進まずパスも失敗し、ギャンブルも失敗し攻守交代となってしまう。
名城は中央からの攻撃で、いきなり30ヤードのランを決める。
しかし次にDL#91関井君のナイスタックルがあり、名城は28ヤードのFGを試みる。
ここで決められたら、ほぼ勝敗は決まってしまうだろう…。
ところが、名城はFGを失敗する。まだ、グランパスに望みはある。
ナイスタックルをみせたDL#91関井
グランパスは自陣20ヤードからの攻撃だったが、あっさりパントとなってしまう。
やはり名城守備陣は強い。
6-19で、第4Q突入。
名城は簡単にランを続けて決めてTDを奪って、ついに6-25となってしまった。
2本TDを取っても追いつけない点差だ。非常に苦しい。
なんか、名城はここで一気にもっとTDを重ねてくるような気もしないではない。
私はまだ諦めていないが…、雰囲気はひじょうに悪い。
グランパスは自陣37ヤードから攻撃。もう時間がないから、パスの連発になると思う。
RB#24松谷君へ12ヤードのスクリーンパス成功。再び松谷君へ30ヤードパス成功!
いい感じだ、と思ったら、次のTDパスを名城にインターセプトされてしまう。
僅かな希望もあったが、それは絶望に変わってきている…。時間がない…。
名城の攻撃を抑えて、グランパスは自陣20ヤードから攻撃。
安田君から石川君へショートパス成功。
石川君は名城LBのタックルを振り切り、走る!
40ヤード走って名城陣20ヤード近くまで進む。いいプレーだ。
安田君からミドルパスが投げられる。その先にはWR#1相武君と名城セーフティーが疾走している。
相武君は振り切り見事にキャッチ!そのままエンドゾーンに走り込みTD!
TFPはキックと見せかけて安田君がキープして2ポイントコンバージョン成功。
14-25となる。
TDに大きく貢献したWR#6石川、WR#1相武
残り時間は4分だからここはオンサイドキックをして、
これをグランパスが抑え、そしてロングパスを決めてTD。
再びオンサイドキックを成功させてまたしてもロングパスを決めれば、逆転できる…。
しかしそんなことは非現実的だと思いつつ、そう願ってしまう。
現実はやはり厳しかった、そんな世の中は甘くはない。
名城はきっちり残り時間をランプレーで使いきり、14-25で試合終了。
「…、…。」23年ぶりの単独優勝は夢と終ってしまった…。
グランパスサポーターで埋まる観客席
試合前はああすれば、こうすれば勝てるかなと私は思っていたが、すべて砕かれてしまった。
名城は強かった。完敗でした。
選手スタッフ・コーチの方々には失礼かもしれないが、
正直言って、ここ3年の接戦とは違い、今日は勝てる要素がなかった気がする。
これで、名城の優勝は決まってしまった。
が、グランパスはまだ最終の名商大戦を残している。
気持ちの切り替えをしないと、名商大に足元をすくわれてしまうこともありうる。
昨秋、名城に惜敗した後、大苦戦した名商大戦を思い出してほしい。
名城大学には全国大会で、ぜひ頑張って頂きたい。関西NO.1の大学に一泡吹かせてほしいものだ。
次戦、秋季リーグ最終戦
10月27日(日)13:30Kick Off
名古屋商科大学戦 at名古屋市港サッカー場
応援よろしくお願いいたします!