観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 中京大学戦 平成23年9月11日 at名城大学グラウンド
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GRAMPUS 後援会会長
門池 啓史 さん
東海学生アメリカンフットボールリーグ、
秋のレギュラーシーズンがいよいよ始まった。
昨秋、優勝を逃してたいへん悔しい思いをしたグランパス。
あの悔しさをばねに、
今シーズンこそ是非とも「優勝」を実現してほしいものだ。
今シーズンの東海1部リーグは混戦模様と言われている。
名大、南山、名城、中京の各大学力の差はあまりないという前評判だ。
しかし、実際試合をしてみると意外な展開になるとも限らない。
明確に言えることは、
我グランパスにも充分優勝のチャンスはあるということだ。
本日は、注目の中京大学との試合が名城大学グランドで行われる。
開幕第一戦からいきなり強豪チームとの戦いである。
客観的に見て、力の差はあまりないと思われるので接戦が予想される。
接戦を制するのはもちろん選手諸君の頑張りがあるのはもちろんだが、
正直「運」が大きいと思う。
この運がどちらのチームにつくか、興味あるところである。
試合前、サイドラインに緊張が漂う
本日の試合に勝利したチームは優勝戦線に名乗りをあげることができるが、
逆に負けてしまえば、優勝から早くも遠ざかるをえない。
両者共、負けられない試合だ。
残暑厳しい中、中京大学のキックで試合開始。
グランパスは自陣35ヤードからの攻撃となる。
RB#19七田君のランと
WR#12亀井君へのパスが決まってフレッシュを奪うも、
次が続かずパント。
中京は中央より最初のオフェンスとなる。
いきなりRBの中央突破でフレッシュ。
しかし次のシリーズ、中京はフレッシュを奪えずパント。
このパントは悪く、グランパスは中央付近からの攻撃となった。
QB#2梶原君がキープでフレッシュを奪うも、
後が続かずパント。
中京もフレッシュが続かないが、
グランパスもRBがボールをファンブルし、
ターンオーバー(攻守交代)となってしまった。
ここまでは互いに決め手がなく互角の戦いだ。
予想通りの流れである。
中京のパスをLB#55伊藤君が鋭くカット!
続いてLB#41清水君がQBサックし、中京はパント。
QBサックを決めた#41清水
リターナー#6石川君は、自陣10ヤード付近でボールをキャッチ。
怒涛のように流れ込む中京選手をかわそうとカットバックを試みるが足が少し滑る。
「あっ、これはタックルされる。嫌なポジションだ」と私は思う。
しかし滑ったのも幸いしてか、石川君は中京選手を上手くかわすと、
左オープンを走る。
サイドラインに中京選手はいない!
走れ!走れ!
石川君の約90ヤードの独走ランにより、タッチダウン(TD)だ!
やったぞ!観客席は沸き返る。
見事なリターンタッチダウンを決めた#6石川
正直グランパスにとってはラッキーなTDだったと思う。
力が拮抗している相手にこのTDは大きい。
石川君の走りがよかったことはもちろんだが、
「運」はこちらに向いているのかもしれない。
第2Qに入る。
グランパスは自陣30ヤード付近からの攻撃を、
ランとパスを巧みに入れ込み、
じりじりと中京陣深くまで攻め入る。
ゴールまで11ヤードとなったところで、4thダウンとなってしまった。
ここはフィールドゴール(FG)を狙う場面だ。
30ヤードもない距離なので成功する確立の方が高いと思われる。
案の定、FGは成功して3点追加し、10-0となる。
私は「意外と点差は開くかも…」と思う。
グランパスはランとパスが上手く機能している。
中京はこれを防ぎきれていないようだ。
グランパスが押し気味で前半終了。
10-0。
第1Qこそ互角の戦いだったが、
第2Qに入ると明らかにグランパスは攻守とも中京を上回っている。
あと1本TDが決まればグランパスの勝利は確定すると思う。
幸先の良いスタートをきったグランパス
明るい期待を込めて後半開始。
中京は中央付近からの攻撃とする。
今日はどうもグランパスのキッキングが悪く、
中京に毎回中央付近まで戻されている。
どうしたのだろうか。
中京はパスとランでグランパス陣奥深く進む。
ゴールまで12ヤードまで進み、4thダウンとなる。
ここは当然FG狙いだな、と思ったが中京はギャンブルにでてきた。
常道としてはFG狙いだと思うが、
中京ベンチは何か思うところがあるのだろうか…。
しかし中京は1stダウン狙いのショートパスを失敗し、
攻守交代となる。
よくグランパス守備陣は守った。
グランパス守備の奮闘
しかしグランパスは自陣12ヤードからと苦しいポジションからの攻撃は続かず、
中京は再び中央付近からの攻撃とする。
中京はショートパスと欄でグランパス陣深くまで入り、
最後はパスによりTDを挙げる。
10-7。
後半は結構グランパス有利な戦いとなると私は予想(期待?)したが、
現実はそんなに甘くなかった。
中京はしっかりアジャストしてきている。
さすが強豪校だ。
グランパスは自陣20ヤードからの攻撃再開となる。
フレッシュを取ったが、C(センター)からQBへのスナップが上手くいかず、
ボールはこぼれて、これを中京選手がリカバーする。
名大陣40ヤード付近でのターンオーバーだ。
これはたいへん痛い。
接戦の試合はミス一発で試合が決定することは多々あるのだ。
中京はフレッシュを取るも、
名大陣30ヤード付近で4thダウンとなる。
ここはギャンブルか、あるいはパントかと思ったが、
中京はFGを狙いにきた。
決まれば同点だが、距離は遠く45ヤード位はある。
NFLや関西1部リーグなら決まるかもしれないが、
私は決まるわけないと思い、
周囲の観客の方々に「決まるわけないですよ」と笑って言う。
中京キッカーが蹴ったボールは、ますぐいい角度で伸びる。
ポールのど真ん中を綺麗に飛んで、成功。
「ええっ??」
私は驚くと同時に、決まるわけないと断定した自分が恥ずかしい…。
45ヤードのキックは成功した。
中京のキッカーさん、たいへん失礼いたしました。
ともかく、これでついに10‐10の同点となってしまった。
追い上げられたグランパスはちょっと不利かもしれない。
第4Q突入。
まさに白熱した接戦だ。
グランパスは自陣5ヤードから攻撃と、
大変悪い位置からのオフェンスとなる。
しかし3rdダウンロングで
RB#24松谷君への15ヤードパスが決まってフレッシュをとり、
ほっと一息する。
#24松谷へのパスが決まりファーストダウン獲得
ここでQB梶原君より、ライン際で待ち構えていた
WR#12亀井君へ5ヤードのパスが決まる。
中京LBとDBはタックルを試みる。
亀井君は倒れる寸前で体勢を戻し前を走る。
前には誰もいない!
走って走ってTD!
58ヤードのパスプレーにより、
グランパスはTDを挙げる。
ポイントアフタータッチダウンも決まり、
17-10とリードする。
勝ち越しのTDを決めた#12亀井
中京は中央から攻撃するも続かずパント。
残り時間は6分だ。
グランパス自陣12ヤードからの攻撃を、
ランとロングパスで中京陣内40ヤード付近まで進ませる。
しかしQBからのパスを中京にインターセプトされ攻守交代となってしまった。
中京は名大陣40ヤードから攻撃だ。
ミドルパスとランを成功させ
中京はついに名大ゴールまで5ヤードの位置まで進み、
1stダウンとなる。
残り時間はまだあるので、私はTDを覚悟する…。
中京は、4回の攻撃でたった5ヤードすすめばよいのだ。
私は心の中で「中京はTDを取ったら、2ポイントを狙うのかな…」
と思いつつ、「いや、同点狙いのキックか…」
とすでに弱気になっている。
最初のプレーで、中京QBはショートパスを投げる。
グランパスLB#51小川君が電光石火の如くこのボールを奪う!
インターセプトだ!
「やった、やった」
私も応援団も大騒ぎだ。
「よし、これで勝った!」と私は確信する。
残り時間40秒。
中京は名大陣30ヤード付近から攻撃するもグランパスDB陣は深く守り、
ロングパスを投げるも、不成功で試合終了。
17-10でグランパスは勝った。
17-10で試合終了
前半を見れば、意外にもグランパスの楽勝かと思われた試合だったが、
やはり中京は強かった。
後半はまさに大接戦だった。
しかし、この勝利は本当に大きい。
「優勝」を言うのはまだ早いが、この調子で、
第2戦以降も頑張ってほしい