観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記 三重大学戦 平成19年11月3日 at一宮光明寺競技場



GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん

2週間前、優勝を賭けた名城大学戦に負けてしまったグランパス。
今日は今期最終戦、三重大学との試合が一宮光明寺競技場で行われる。


今年は本気で優勝を目指してきた選手、スタッフはどんな気持ちだろうか。

緊張の糸が切れてしまったのだろうか。
今日、後半は下級生中心で試合にのぞむのだろうか??

しかし、優勝はもう決まってしまったが、関西一部リーグを賭けた
入れ替え戦出場のチャンスがないわけではない。
明日行われる名城大学対南山大学との試合の結果次第で、グランパスにもまだ望みがある。

ただ、今シーズンの名城と南山の試合内容、結果から見ると
名城がかなり優位であることに異論はないだろう。

と、いろいろなことを考えて私は競技場へ向かった。

正直に告白すれば私の心の中には、いつもの緊張感がないことに気づいていた。
優勝を逃してしまったし、三重大学とはここ数年の対戦戦績を見れば、
(三重大学のご関係者の皆さんごめんなさい!)
取りこぼすことは考え難いので、イマイチ力が沸いてこない。

でも今日は多分、4年生の最終試合となるし、一年生も試合に出場するだろうから
しっかり応援しよう。と、自分自身で心を持ち直して競技場に入った。

三重大学といえば2002年秋、グランパスが二部に所属していた時の試合を私は思い出す。
一部入りを必死で目指していたグランパスは、三重大と1位を賭けた試合に臨んだ。
しかし試合終了直前、逆転の望みをかけたタッチダウンパスがWRの手をかすめ、空しくグラウンドにころがっていった。


あれから5年。

今やグランパスは一部で強豪チームになった。
本当に強くなったものだと時の流れを感じざるを得ない。

今日は、雲ひとつない快晴だ。
グラウンドには芝生の緑とコーディネイトされたかのような、
グランパスのユニフォームが鮮やかに見える。

グランパスのキックオフで試合開始。

あまり良いキックではなかったため、三重大は自陣40ヤードからの攻撃となった。
最初のプレー、三重大は左のWRに10ヤードほどのパスを投げた。
WRはボールをキャッチ。

しかし前にはグランパスのLB、CB、Sの誰もいない。
「あれっ?」と思う間もなく、三重大のWRは走る。
名大ゴールラインまで10ヤードのところでやっとタックルされる。

一気に50ヤードもゲインされてしまった。いきなりの大ピンチだ!

三重大は2回ランを試みるも、強力なグランパスDLに押され全くゲイン出来ない。
3rdダウンで三重大のQBはRBにボールをピッチしようとすると、

グランパスのDLのプレッシャーにより、RBは大きく後ろにボールをファンブル。
これをグランパスがリカバーし、攻守交代となった。まずはほっとため息。

グランパスは自陣30ヤードからの攻撃開始だ。
パスプレーが2回通ったが、ハンドオフミスもあり、パントとなってしまった。
8分過ぎ、三重大は名大陣28ヤードからの攻撃となり、絶好のチャンスだったが
ギャンブルを含めて4回のランを試みるも10ヤード進まず、またもた攻守交替。

さすがグランパスのDL、LB陣は強力だ。
その後両チーム共一進一退を続け、ここで第1Q終了。
グランパスはスロースターター?なので、第2Q以降は大量点を取ってくれることだろう。

0-0。

第2Qに入る。

5分過ぎ、中央手前付近からRB#21高木君が三重大のタックルを何度も振りかざし、
60ヤード独走してようやくTDを取った。
ポイント・アフター・タッチダウン(PAT)も決まり、7-0となる。

さあ、どんどんTDを取るぞ!

次の三重大のドライブはCB#13奥村君のナイスタックルもあり、パントとさせ攻守交替。
8分過ぎ、QB#9吉田君は自陣30ヤード付近から、
WR#12佐藤君へのミドルパスを投げる。佐藤君は上手くキャッチ!

三重大のLBがタックルするも、きわどくこれを外し佐藤君は疾走する。
「走れ、走れ!」
三重大の二人のDBが佐藤君を懸命に追う。
佐藤君のユニフォームに手がかかりかけたが、佐藤君はぎりぎりのところでかわす!

最後は独走となってエンドゾーンに走りこんでTD!
70ヤード近いTDパスとなった。佐藤君の個人技が光ったナイスプレーだった。
余談だが私はつい先週、佐藤君の出身地、北海道の帯広に行ってきたばかりだ。
広大な十勝の地で育ったので、彼は足が速いのだろうか??


次の三重大のドライブは全く進まず、自陣18ヤード4thダウンからパントとなる。

が、スナップがパンターを外れ、エンドゾーン内でボールがころがる。
これをグランパスが押さえ、TDとなる。PATも決まり21-0となった。

勝敗はこれでほぼ決まりだろう。後はグランパスが何点取るかが興味深い。


10分過ぎにも同じようなプレーがあった。

三重大自陣35ヤードから4thダウンパントで、ボールが大きく外れ、
ゴールライン直前でグランパスが押さえる。
最後はRB#35奥村君が走り、TD。

28-0で前半終了となる。

第1Qはもたついたが、第2Qに入るとグランパスは本領を発揮して、4本のTDを奪った。

後半、グランパスはいろいろなプレーを試していたようだ。

一年生も少し登場させて、経験をつませていた。

後半は2本しかTDを取れなかったが、これは勝敗にこだわることなく、
プレー中心に試合を進めた結果なので仕方ないだろう。


42-0で試合終了。やはりグランパスの圧勝だった。

明日の名城大学と南山大学の試合で、名城が負ければグランパスは
関西一部リーグ入りを賭けて、再び名城と戦うチャンスがある。


私はやや中途半端な気持ちで、紅葉しかかった木々が美しい公園の中を歩き、帰路に向かった。

-付記-

最終戦で名城大学は南山大学に勝利し、
名城大学の関西リーグ一部入れ替え戦への出場が決まりました。

キャプテン廣田くんはじめ4年生の選手、スタッフの皆さん、本当に長い間ご苦労様でした。

優勝こそ逃してしまいましたが、あなたたちのグランパスでの貴重な体験、
頑張った努力は、必ずや社会人となって生きてくるはずです。
この経験を一生忘れずに、良き社会人となってください。

また、応援してくださいました多くの父母会の皆様にはこの場をお借りし、
厚くお礼申し上げます。

新発田監督、服部ヘッド他コーチ陣の皆様には、
来年以降も強いグランパスであるよう期待しております。

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