観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記 名城大学戦 平成29年10月15日 at名古屋商科大学フットボール場



GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん

グランパスは前週の中京大学との試合で
思わぬ大勝をした。
これで開幕3連勝となり
「単独優勝」が目前にちらついている。
今日はいよいよ名城大学との一番だ。
今日勝てば、まず同率優勝は決定し、
なおかつグランパス創部初の
「全勝優勝」の可能性が大きくなってくる。
なんとしてでも今日の決戦は勝たなくてはならない。
名城は東海リーグにおいて、
ここ10年で9回優勝している絶対的王者だ。
グランパスは12年前に勝利して以来、
名城には苦戦を喫し続けている。
正直言って、
ここ12年ばかりは勝てる内容の試合がほとんど
なかったので、今年こそは何とか接戦にもちこみたい。

今日の天候は雨であり、
この雨が両チームにどのような影響を
与えるのかがポイントになってくるだろう。
グランパスはRB#6川村君の
ランが中心となると思われるので、
この雨は有利となるかもしれない。
しかし名城は必ずRB#6川村君を狙ってくるはずなので
逆にQB#1松原君のキープ(ラン)やショートパスが
効いてくることも考えられる。
また今日の雨で互いにミスがでるかもしれないが、
このミスも勝敗を分けるポイントとなるだろう。
私は中京戦後、今日の一戦をあれやこれやいろいろ
考えてきて、全く落ち着かない二週間だった。

雨降る中、グランパスのキックで試合は始まった。
名城は自陣25ヤードより攻撃開始となる。
いきなり、名城はロングパスを仕掛けてきた。
グランパスDBはぴったり名城WRについており、
何とかロングパスは許さなかった。
初めからロングパスを決められると、
受け身に立ってしまうのでよかった。
しかし次にグランパスは
オフサイドの反則を犯して5ヤード下がる。
そしてまたもや同じオフサイドの反則を犯してしまう。
誰が見てもグランパス選手の気持ちの入れすぎによる
空回りにしか見えない。つまらない反則だ。
ここは冷静にプレーするべきだろう。

LB#27家田君がQBサックをしたが、名城は
15ヤード、11ヤード、8ヤードのパスを通して進む。
この雨の中、名城がパスを多投してくるのは意外だ。
名城RBの中央突破で15ヤード進んで、
ゴールまで10ヤードとなった。
しかし名城は反則で10ヤード罰退して、
4thダウン40ヤード前後のFGを試みるも、
グランパス選手がボールをブロックする!
ここはグランパス守備陣がよく踏ん張ったと思う。
まずは、ほっと一息だ。

LB#27家田

グランパスは自陣26ヤードから攻撃開始となった。
3rddown残り1ydsから絶対的エースRB#6川村君が
7ヤード走ってフレッシュ獲得。
次にRB#6川村君は左オープンを抜けると、
巧みにタックラーを外して独走してTD!
と思ったらグラウンドには
嫌なイエローフラッグがぽつんと見える。
グランパスの不正なブロックの反則で、
幻のTDと終わってしまった。
しかし、反則地点からの攻撃となるので、
敵陣35ヤードからの攻撃となる。
今シーズン著しく成長したQB#1松原君が
右オープンを8ヤード走る。
続いてスロットの位置に入ったRB#6川村君へ横パスを
投げると、RB#6川村君は16ヤード走る。
しかしグランパスのホールディングの反則があり、残念…。
反則が多いのは、やはり気合の入れすぎなのか、と思う。

RB#6川村

4thダウンとなってしまいFG体制を取るが、
グランパスはここでフェイクプレーにでた。
WR#88岸君からWR#81鈴木君へ
ショベルパスが投げられ、
WR#81鈴木君は左オープンを走り抜けTD!
このフェイクプレーは完全に決まった。
PATも決まってまずは7-0とリードする。
いいぞ、いいぞ。

キックカバーでWR#81鈴木君の
ナイスタックルがあり、
名城は18ヤードのラン、
15ヤードパスなどが決まり、
ゴールまで12ヤードと進む。
4thダウンとなってFGを狙いに来て成功し、
7-3となる。
まあ、ここはTDを取られなかったことを良しとしよう。

グランパスは自陣32ヤードからの攻撃。
QB#1松原君が10ヤードラン。
そしてショートパスとランで敵陣深く進んだところで、
4thダウンから27ヤードのFGを成功させて、
10-3となった。
名城は自陣33ヤードからの攻撃だったが、
LB#57岡田君のパスカットや、LB#27家田君の
ナイスタックルがあり、10-3で前半を終了。

概して言うと、前半グランパスは攻守とも
やや優位な戦いであったと思う。
攻守のライン陣はサイズ的には
名城がグランパスを圧倒しているが、
ライン戦では負けていない印象を受けた。
過去の名城戦より明らかに今日は勝てそうな雰囲気は
あるが、何せ相手は名城であるので、
後半必ず巻き返してくることだろう。
後半最初にグランパスがTDを奪うと、
これは俄然面白くなってくるはずだが…。

DL#52山本

 
10-3のグランパスリードで、後半開始。
グランパスはナイスリターンで
ちょうど中央からの攻撃開始だ。
最初のプレーで、QB#1松原君は
QBキープで左オープンを走る。
名城タックラーが襲いかかるが、
QB#1松原君はひらひらと
まるで蝶のようにこれをかわして、走る走る!
走って走って何とエンドゾーンまで行ってしまった!
50ヤードランのTD!
いやいや、RB#6川村君の走りも天才的だが、
QB#1松原君の走りも素晴らしいです。
さすが高校時代のRB経験者だ。
強力名城守備陣もこの二人のランは止められない。
PATも決まって17-3となる。
このTDは本当にグランパスにとって意義深いものだ。
名城は焦ってくるはずだ。
俄然面白くなってきた。

QB#1松原

グランパスのキックを名城リターナーは
キャッチして走る。
グランパス選手の激しいタックルにより
リターナーはボールを前に大きく落とす。
これをグランパス選手が抑えて、
グランパスは敵陣33ヤード
からの攻撃開始となった。
雨の影響でリターナーはボールを落としてしまったのか。
ここでもう一本TDを奪えば、グランパスが極めて有利と
なるが…と思う間もなく、RB#6川村君はまたもや
名城タックラーを振り切って33ヤード独走してTD!
PATも決まってなんと、24-3となる。
この得点差は全く予想外だ。
これは勝てるかもしれなと思いつつ、
なにせ名城だから怒涛の反撃が
くるのではないかと心配もする。
とにかく名城は底力を持っているので、
一気に攻め込んでくるのだ。

LB#57岡田

名城は自陣35ヤードより攻撃。
QBキープなどで中央まで進んだところで、
LB#27家田君がナイスパスカットをする。
次にDB#8川尻君がぴたっと
パスインターセプトをして攻守交替となる!
まったく流れはグランパスにある。

その後互いにパントが続いた後、グランパスは
自陣35ヤードより攻撃開始。
WR#81鈴木君へ9ヤードパスを成功した後、
RB#6川村君は激しいタックルを受けて、動けない。
タンカーで運ばれて外に出るも、
なにせ絶対的RBなので誠に心配だ。
グランパス応援席は静まりかえるも、
RB#6川村君はすぐ回復して私はほっとする。
数プレー後、彼は早速10ヤード走って、
ゴールまで19ヤードへと進む。
本当に軽症でよかったです。

DB#8川尻

ついにあの名城を24-3でリードして、
第4Qに突入する。

グランパスは4thダウン2ヤードをギャンブルにでて、
RB#6川村君が中央を突破して
ゴールまで5ヤードとなる。
ここでTDを奪えば勝負ありだ。
QB#1松原君は自分で走って左オフタックルを
簡単に抜けてTD!
PATも決まり、31-3となって、
グランパスの勝利はほぼ確定された。
いかに名城であろうと、今日のグランパス相手に
残り時間11分で4本ものTDを
奪うことはほぼ不可能だ。

案の定、名城は苦しいパスを多投するも
なかなか成功せず、
最後はDB#32久保田君がパスインターセプトして、
31-3で試合終了となった。

ついに常勝の名城を倒したのだ!
グランパス応援席は沸き返っている。
しかし、まさかこんな大差で、楽勝といってよい内容で
勝てるとは誰も思っていなかっただろう。
私は結局今年も名城にやられてしまうのか、
と失礼ながら思っていた。
今日は大接戦のハラハラドキドキで感動の勝利で
感涙にも浸りたかったが、あまりにグランパスの
圧勝だったので、なんか気が抜けてしまい
そんなこともなかった(笑)。

冷静に試合を振り返れば、今日この雨の中、
名城はミスが少し出たが、
グランパスはほぼノーミスだったのがまず勝因だろう。
それとQB#1松原君とRB#6川村君のランを
名城守備陣は止められなかったことだ。
もちろんグランパス選手のナイスブロックも
あったが、とにかくこの二人のランはカットバック、
チェンジオブペースが素晴らしく、
名城には脅威だったと思われる。
二人がいることで、相乗効果によりやはり名城は
的が絞れなかったのかもしれない。
それと、OL・DL陣も名城強力ライン陣に
一歩も引けを取らず、素晴らしかったと思う。
また、LB陣のナイスタックルや、
DB陣のパスプレーに対する対応は光っていた。

これで少なくともグランパスの同率優勝は決まったが、
仮に最終戦の信州大学戦に負けても、
グランパスは中京と名城に勝ったので、
全国大会出場は決まったのだ。

私は春の岐阜大学戦を見て、正直、
今年の秋は入れ替え戦も覚悟していた。
また秋初戦の南山戦での内容では、
とてもとても優勝なんて有り得ないと思っていた。
しかし、その後の名工大、中京、そして今日の名城戦と
内容は素晴らしすぎて、今も、本当にこんな
強かったのかと思うくらいだ(笑)。
あとは最終戦の信州大学に勝って、
グランパス創部初の全勝優勝を成し遂げてほしいものだ。
本音を言えば、普通に試合すれば
信大に苦戦はしないはずだ。
そして、その後の全国大会で活躍してほしいものである。
本当にグランパスはよくやったと思います。
頭が下がりました。

(これは観戦記ですので、データ・プレー他に間違いが
あった場合はご容赦くださいませ)

更新情報

     
Copyright(c) 2017 Nagoya Univ. American Football Team GRAMPUS All Rights Reserved.