安全対策

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名古屋大学グランパスでは、2015年12月、金子祐大君(当時2年生)が練習中に意識を失い、
数日後に亡くなるという、重大な事故が起きました。
チームは事故の報告書をまとめ、改めて安全確保に全力で取り組むことを誓いました。

このページでは、我が部の安全に対する具体的な取組を紹介させていただきます。
なお、本安全対策の立案に際して、関西学院大学アメリカンフットボール部の取組を多く参考にさせていただきました。また、ご指導いただいた小野ディレクター(関西学院大学)に改めて感謝申し上げます。



安全理念

部員をはじめチーム関係者が安全について常に同じ意識で行動するため、安全理念を宣言します。

「安全はすべてに優先する。
安全が確保され個々人が最高のパフォーマンスを発揮できてこそ、GRAMPUSは強くなれる。
これをGRAMPUSに関わる全員が常に強く意識し、相互に注意し常に改善を図っていく」

安全方針

上記理念実現のため、以下の方針で取り組みます。

1.事故発生防止につながる体力の強化(発生防止)
2.早期発見し、迅速な対応による状況悪化の防止(適正対応) 
3.自ら考え行動できるようにする(当事者意識) 
4.常に未完成と思い向上を目指す(改善意識)
5.常に実行できる体制の堅持とその風化防止(継続性)


1.事故発生防止につながる体力の強化(発生防止)

(1)負荷の低減

■正しい当たり方の習得
ヒットの瞬間は、きちんと顔を上げて(Head Up)、あごをひき、首を肩の中に埋めるような状態をとる(Bull Neck)ことを実践する。また、ヘルメットとヘルメットでのコンタクトを避ける目的から、両手をできるだけ早く前に出し、手が最初に相手に接触するコンタクト(Hand First, Hand Fast)や、肩で当たる(Shoulder Block, Shoulder Tackle)技術を身につける。

■適切な負荷強度の採用
練習時は一定距離以内でのフルコンタクトを採用し、危険と思われるタックルは禁止する。また、中程度の強度の練習回数を増やし、強いコンタクトの練習が連続するメニューを作らないなど、練習における適切なヒットの質的・量的改善を行う。なお、体格差のある者同士のヒット練習においては、衝撃吸収材、ネックロールの使用を促進する。
安全であるかどうかをヒットの形やタイミング、首回りの筋力等で安全担当コーチ(後述)とパートリーダーが総合的に判断し、安全と判断してから練習を行うことを徹底する。

■適切な装具の選定
頭部の総重量が大きいほど衝撃が増大し脳震盪のリスクが高まるため、ヘルメットは一定の堅牢性を確保したうえで、できるだけ軽量なものを使用すべきである。また、口腔内の保護に加え、頭部を安定させ頭部外傷の発生率を軽減させるため、マウスピースは品質の高いものを使用すべきである。これを踏まえ、適切なヘルメットとマウスピースを選定し使用するよう指導する。

■練習環境の整備
特に夏期においては高温下での練習は熱中症の危険を持つ。下記の取組を行い、継続することで熱中症の防止と、重症化のリスクの低減する。

・夏期の午後練習では、原則16時以降のピークを避けた時間帯とする。
・練習前に選手の体調チェックを行い、体調の悪い選手には注意喚起を行う。
 重度の体調不良と判断される場合には練習中断の宣告を行う。
・グラウンドに散水を行い、気温低下させる。
・水分補給の時間をこまめにとる。
・扇風機を稼働させ、体温低下を図る。
・テントを設置し、日陰をつくる。
・スポーツドリンク、アイシングの常備。
・グラウンドマネージャーを配置し、上記を管理させる。

(2)体力の向上

■体力の把握(運動能力全般)
シーズン開始時に各々の体力を測定し、個々の変化がわかるよう定期的に記録する。ストレングスコーチの指導のもと、それぞれの目標値及びそのための体力向上メニューをARスタッフ(※)が設定し指導を行う。また、シーズン終了後にその結果を確認し、目標と実績に乖離が大きい場合、シーズンオフの過ごし方を個別指導する。

※Athletic Research部門に所属するスタッフ。主にリハビリプランやトレーニングメニューの作成と指導、応急処置、テーピング指導、栄養指導を行っている。

■筋力の向上
基本的体力向上を行うために、毎月トレーニングコーチにより設定されたウエイトトレーニングメニューを、目標に到達するよう各人が実行する。なお、頭部保護に重要な頸部の筋力向上メニューを練習に必ず取り入れる。


2.早期発見、迅速な対応による状況悪化の防止(適正対応)

(1)早期発見

■入部時確認
入部後速やかに過去の既往症と身体検査の確認を行い、その結果により、選手として活動できるか否かの判断を行う。もし、何らかの問題が確認された場合には、選手としてではなく、スタッフとしての参加を促す。

■練習時確認
<シーズンイン時>
ImPACTなどの判断ツールを用いて、平常時の認知、識別、記憶について各人の基礎能力を記録する。

<練習開始時>
睡眠時間、病気の有無、体温、その他自覚症状を自己申告し、異常もしくはそれに準ずることがあった場合、ARスタッフ、パートリーダーが協議の上、練習参加および、練習強度の増減を検討する。

<負傷時>
マニュアルに従い、負傷のタイプ、程度を判断し、速やかに決められた処置を行う。マニュアルはARスタッフのみならず、すべての部員が内容を理解し、スムーズに対応できるよう、講習会等により、浸透させる。

■第三者確認
安全対策活動の確認を定期的(1回/シーズン)に、第三者に求める。確認をいただいた際には、指摘事項等を記録に残す。

(2)迅速・適切な対応

■基本姿勢
・マニュアル遵守
本人はもちろん、周囲の者も状態がおかしいと思ったら直ちにマニュアルに従い、応急処置をとる。
・自己申告
痛み、辛さは本人しかわからない場合が多い。特に頭部の場合は、少しでも違和感があれば、態度に表し、それを訴える。
・全員で守る
常に周囲の者はお互いに技術のチェックのみならず、健康状態のチェックも行う。
・最終的には専門家(医師)等の判断に従う。

■復帰時確認
脳震盪における復帰プラグラムに基づき、脳震盪の自覚症状、および客観的な症状消滅が確認されるまでは、絶対安静を保つ。なお客観的確認として公的ツールImPACTを用いる。脳震盪を起こした場合、脳震盪報告書を作成し、復帰時にも追加記入をする。

■医療機関(医師)の指定および付き添い
全員がかかりつけの医師を持ち、部としてそれを記録管理する。また、練習時の緊急対応のため、部としての医療機関を定め、いつでも連絡できるよう部室に掲示するとともに、ARスタッフは連絡先を携帯する。


3.自ら考え自律行動を可能にする(当事者意識)

(1)選手の身体管理
毎練習後にARスタッフに体調報告し、ARスタッフはそれを記録に残す。1週間単位でインジュリーレポートを作成し、安全担当コーチに提出する。ただし、頭部への負傷等、重篤につながる可能性があるものについては即時報告する。

(2)定期訓練
緊急時に対処できる人間の養成を行う。安全担当コーチ監修のマニュアルの下、通常時はARスタッフを中心として1回/月、試合期は1回/2週の頻度で、シーズンイン時は全員参加の対応訓練を行う。


4.常に未完と思い向上を目指す(改善意識)

(1)安全ミーティングの開催
毎週パートごとにミーティングを開催し、個々の練習で安全に不安を感じるメニューや出来事の確認と、それらの事象に対する対応策を考える。その議事録を残し、安全担当コーチに必ず報告する。

(2)安全マニュアルの改訂
安全マニュアルは1回/年に必ず改訂する。上記安全ミーティングで出てきた不安点の対策等を盛り込む。また、最新の安全対策を常にウォッチし、反映させる。改訂した内容で、医学的なことについては、専門家にその妥当性を確認する。


5.常に実行できる体制の堅持と風化防止(継続性)

(1)コーチングスタッフの強化
練習の現場で冷静な立場で対応できるよう、安全対策の専任コーチである安全担当コーチを設置。

(2)練習管理体制
■練習メニュー決定の2重化
現役部員が立案し、コーチがその強度安全をチェックし、決定する。

■新入生メニューから上級生メニューへの移行判断
個々の育成結果を確認し、コーチ、パートリーダー合意の上移行する。

(3)緊急時連絡網の整備
以下の情報の見直しと管理を行う。

・部員全員の緊急連絡先の再確認
・緊急時の連絡ルートとタイミングの確認
・連絡内容の整理
・情報の保管と可搬性の両立(紙媒体と電子媒体)

(4)安全講習会・訓練の実施
安全担当コーチとARスタッフの指導の下行う。

■講習会内容
春シーズン開始時(2月):頭部外傷、脳震盪(新入生は入部時に行う)
夏シーズン開始時(7月):熱中症

■全体安全訓練
練習時訓練:2月、7月
試合時訓練:4月、8月

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