観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記  名城大学戦 平成23年10月1日 at四日市ドーム



GRAMPUS 後援会会長
門池 啓史 さん

開幕から2連勝したグランパス。
今シーズンの東海一部リーグは4強といわれているように、名大、南山大、名城大、中京大の力は拮抗していると思われる。

しかしグランパスは開幕の中京大戦に勝利したため、たいへんよい展開になっている。

本日は名城大学との試合が四日市ドームで開かれるが、名城は先週の中京戦に完敗している。
我グランパスは中京に勝利しているので、単純にみれば、今日の名城戦には勝てる?ことになる。

と、そうは単純にことは運ばないとは思われるが、名城は例年の強さがあまりないように思えるがどうであろうか。
ちなみに、昨秋、グランパスはあと一歩のところで名城に負けている。

私はグランパスを応援するようになって13年目だが、過去、選手スタッフも私も「優勝」を目標として掲げてはいたが、
本音を告白すると、「ちょっと優勝は無理かな…?」と思っていた。

しかし、今年こそは真にグランパスに優勝のチャンスは訪れている。
今日の名城に勝利すれば、もう優勝はすぐそこだ。何とか勝ってほしいものである。否、勝てると私は思う。

私はいつになく心が落ち着かない。
自分の心の2/3は冷静だが、1/3はかってにいろいろ妄想してしまっている。
時として、12月初めの立命館(関学、関大?)との試合も考えてしまっている。

もっと先の祝勝パーティ会場までどこにしようか、と考えている自分がいる。
だめだ、こんな妄想していると反動が怖い…。

こんな気分で応援するのは初めての経験である。
何せグランパスはここ20年ばかり優勝から遠ざかっているのだ。


名大のキックで試合開始

グランパスのキックで試合は始まった。

名城は自陣30ヤードからの攻撃開始となる。
ランの後、WRへのパスが通ったが、S#31若山君のナイスタックルで、パントとさせる。

グランパスは中央付近よりと、たいへん好ポジションからの攻撃開始となる。
ロング、ミドルと立て続けにQB#2梶原君からパスは投げられたが、失敗しインコンプリート。

4thダウン5ヤードからのパント体型で、若山君がパンターである。よくこういう場面では、
蹴ると見せかけて走ってくるフェイクプレーもあるが、試合開始直後でしかも中央付近なので、それはないなと思う。

しかし、若山君は蹴ると見せかけて走ってきた。
10ヤード以上走りフレッシュを取る!最初から今日のグランパスは、勝負をかけてきているようだ。

ランでゴールまで17ヤードまで進んだところで、4thダウン4ヤードとなった。
ここはフィールドゴール(FG)狙いかな、と思ったが、

成功率はそれほど高くないと思われる位置なので、ここはギャンブルを選択した。

しかし、4ヤード進めず、攻守交代となってしまった。

「うーん、残念」。

続く名城の攻撃を抑え、グランパスは自陣40ヤードからの攻撃となる。
パスを連発するも、全く通らない。中京戦は面白いようにパスは通っていたが、今日は全く通っていない。
やはり選手たちは緊張しているのだろうか。

名城は自陣40ヤードからのオフェンス開始。

名城はランでフレッシュを取る。
DE#59野田君のQBサックにより、名城は大きく後退するも、続くランで40ヤード走り、ゴール近くまで進む。
これはピンチだ。

グランパス守備陣はゴールラインディフェンスをよく抑えたが、最後にRBに中央突破されTDを奪われてしまった。
力の拮抗している相手に先制TDを取られるのは痛い。0-7。

名城のキックをリターナーとなっている若山君がよく走って中央付近まで返す。


毎試合好プレーが光るリターナー#31若山


WR#12亀井君へ25ヤードのパスがようやく決まる。しかし4thダウンとなってしまったため、
グランパスはFG狙いに来て、これを成功させる。3-7。私はほっと一息。

グランパスのキックとなるが、これがミスキック?となり、

オンサイドキックのような形になってしまったが、グランパスはこのボールを抑える。
これはたいへんラッキーだ!接戦の試合にはこれは大きい。

しかし後が続かず、パントとなってしまう。
なかなかグランパスは思うようなオフェンスとなっていない。

名城は自陣40ヤードからの攻撃。
4thダウンギャンブルを成功させて、ゴールまで18ヤード地点まで進む。
名城はFGを無難に成功させて再び差が広がってしまった。3-10。
前半終了。

私は正直言って、今日はグランパス有利の試合となるのでは、とかってな想像をしていたが現実は甘くはなかった。
さすが強豪の名城だけあって、中京戦の一方的な敗戦から立ち直っているように見える。
とくに、名城QBのキープにやられているような気がする。

パスプレーはあまりないが、QBキープを含めたランプレーにあまり対応できていないように思う。
逆にグランパスは今日パスがあまり通っていない。
パスプレーが多いため、名城のLB陣は引き気味の体系をとっており、
なかなかパスが通りにくい状況だ。
あと1本FGでも決められるとグランパスはちょっと追い付けないかもしれない、と私は弱気になる。

後半開始。

名城のキックはラッキーバウンドとなり、グランパスは自陣10ヤードからの攻撃となる。
案外見落とされるが、キッキングはたいへん重要だ。

グランパスはフレッシュが続かず、名城は中央付近からの攻撃となるがパント。
その後互いに決め手に欠け、パントを繰り返して、いよいよ第4Qに入ってしまった。
でも、3-10の得点差だから、TD1本取れば同点だ。

名城は自陣40ヤード付近から4thダウンパントとなる。
しかし、センターからのスナップが悪くパンターの前でワンバウンドする。
パンターはボールを取ろうとするが、手につかない。

グランパス選手がなだれ込み#55伊藤君がボールを拾い、走る!!
前には誰もいない!「ええっ」

走って、走ってTD!!


TDを決めた#55伊藤


応援席は大騒ぎ、すっごくラッキーだ。10-10の同点となった。
さあ、勝負はこれからだ。グランパスの底力を見せてほしい!

しかし互いにパント合戦となってチャンスが来ない。
残り時間も2分半と少なくなってきた。グランパスは自陣25ヤード付近からの攻撃となったが、
ここは勝利を諦めて、引き分けに持ち込む手もあると思う。

なぜなら、名城はこの試合を引き分けるとほぼ優勝の可能性はなくなるからだ。
グランパスは残り二試合を勝てば単独優勝となるのだ。

しかしグランパスは勝利にこだわっているようだ。
タイムアウトをとって時間を切ってきた。普通に流せば残り時間がわずかになり、名城のチャンスも小さくなる。


パスがなかなか通らず苦戦した


結局グランパスは勝負にでたが、フレッシュを奪えず、パントとなってしまった。
名城は中央より最後の攻撃となるが、残り2分近くもあるし名城のタイムアウトもまだ3回残っている。
ここは何とか守りきって引き分けにしてほしい。

しかし、願いもむなしく名城に決定的なTDを奪われ、ゲームセットとなってしまった。10-17。

「…、…」言葉が出てこない。
この切ない敗北感…。

アメリカのフットボール界では、引き分けに持ち込もうとするのは「妹にキスをするようなものだ」と言って、
軽蔑されていることはあまりにも有名だ。
やはり、グランパスも妹にはキスをしたくはなかったようだ。

今日の敗戦で、自力による単独優勝はほぼ不可能となった。
残り二試合に勝っても最終戦の南山VS名城の結果待ちとなってしまった。

とはいえ、単独、同率優勝のチャンスはまだまだある。
何とか気を持ち直して、次の南山には勝利してほしい。
南山に負けてしまえば完全に優勝はない。がんばれグランパス!

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