観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 南山大学戦 平成23年10月16日 at半田運動公園陸上競技場
GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん
名大、南山、名城、中京の4校の力が拮抗している今年の東海一部リーグ。
ここまでの各試合結果を見て、これほど4校が横一線状態であるのは私の記憶にない。
現時点では4校とも一敗ずつしているので、同率優勝の可能性もかなりある。
仮に二校が同率優勝すれば、そのチーム同士の対戦で勝ったほうが全日本大会の出場権を得ることになる。
三校同率の場合はなんと、くじ引きで代表が決まるそうだ。
我グランパスは、初戦で中京に勝っていることが優勝へ有利に進んでいると思う。
中京はグランパスに負けたが、その後はたいへん強く、名城には圧勝、南山戦にも接戦を制している。
試合開始直前サイドラインに並ぶ選手達
ともかく、グランパスは本日の南山戦に勝利しないことには優勝はない。
本日勝って、次週の愛知学院戦に勝てばとりあえず同率優勝にはなるが、
東海リーグ最終戦の南山VS名城戦で名城が負ければグランパスは単独優勝となり、
全国大会出場の権利をも得ることができるのだ。
今シーズンの試合結果を見れば、失礼ながら、愛知学院は4強より明らかに力は下とみてよいので、
グランパスが本日勝利すれば同率優勝の可能性は非常に高い。
とあれやこれや考えていると、先週の名城戦の敗北を何度も思い起こしてしまう。
妹にキスをすることを拒んだ(意味は、名城戦の観戦記をご覧ください)グランパスは、あくまでも勝利にこだわってしまった…。
引き分けであれば自力優勝が可能であっただけに、やや悔やまれるが…。
とにかく、優勝するには今日の南山戦に勝つことが絶対条件である。
南山は先週の中京戦に惜敗しているが、冷静に見て、グランパスと力の差はないと私は思っている。
両チームとも気合いは十分入っていると思われるので、勝敗を決するのは「運」と「つまらないミス」だと私は思う。
ある程度のミスは仕方がないとしても、それを最小限に留めてほしいものだ。
試合会場の駐車場に車を置くと、やけにギャル&ボーイ風の若者が多いので
いつもの観客層と随分ちがうな?と疑問に思っていると、隣の会場でレゲエ&ラップ?の大会が開催されていた。
その大音響はフットボール会場にもがんがん響き渡り、何とも耳障りではあるがまあ仕方ないかと思う。
秋の柔らかな陽射しの中、グランパスのキックで試合は始まった。
ナイスキックだったが南山のリターナーに上手く走られて、中央付近まで返される。
南山はまず12ヤードのパスを通し、フレッシュ。
続いて10ヤードのパスが決まりフレッシュ。
そしてまたもや10ヤードのパスを通されフレッシュとなる。
フレッシュになるパスを3発も連続して決められてしまい、南山はゴールまで15ヤードと迫る。
いきなりのピンチだ。
しかし次のパスプレーで、LB#55伊藤君はブリッツに入り、これが見事に決まってQBサックとなる!
毎度のことだが、伊藤君は天性のフットボール勘をもっているようだ。
序盤からQBサックを決める#55伊藤
続いてグランパスDL陣のプレッシャーにより南山は大きくロス。
ピンチをしのいで南山に4thダウンパントを強いる。
私はほっと一息。
グランパスは自陣10ヤードからの攻撃となる。
ロングパスは2本連続して失敗となったが、SB#24松谷君へ約20ヤードのパスが決まってフレッシュ獲得。
難しいパスだったが、松谷君、よくキャッチしました。
難しいパスを見事キャッチした#24松谷
次のシリーズは3rdダウン1ヤードとなったため、
ここは手堅くランプレーに間違いないと思ったら、パスプレーで20ヤードゲインする。
私も完全にだまされた。
「うーん、なかなかやるねえ」と私は心の中で微笑む。
次のフレッシュは奪えずパントとなる。
しかし、センターからのスナップが大きくパンターを超えてしまったため、
ボールはグランドを転がって、グランパスは大きくロスをしてしまった。
目に見えた、最初のミス発生である…。
南山は名大陣40ヤードからの攻撃となるが、ここでグランパスCB#8西埜君が南山のパスをインターセプト!
これは先ほどのミスを帳消しにするナイスプレーだった。
今試合インターセプト連発の#8西埜
第2Qに入る。
グランパスは自陣40ヤードからの攻撃を、QBキープでフレッシュを奪い、
続いてWR#84小野君へ連続してミドルパスが決まって、ゴール直前2ヤードまで進む。
これはTDをとれると私は確信した直後、RBはボールをファンブルし、
南山に抑えられターンオーバー(攻守交代)になってしまった。
このミスは誠に痛い、試合を決める致命傷にならなればいいが…と私は不安になる。
次の南山のシリーズはLB#51小川君のナイスタックルがありパントとさせ、
グランパスは南山陣32ヤードからの攻撃開始となった。
ランとパスを混ぜ南山陣12ヤードまで進んで4thダウンでフィールドゴール(FG)を狙うも、失敗。
「残念…」。
しかし、南山の攻撃をグランパス#8西埜君がまたしてもインターセプトし攻守交代となる。
グランパスはミスを犯してもすぐビッグプレーでカバーしている。
次のグランパス攻撃はフレッシュを続けるも、ホールディングの反則で大きく後退しパントとなってしまったが、
ここで南山のラフィングザパンターの反則が発生し、グランパスは自動的にフレッシュを得ることができた。
これはラッキーだ。
前半の残り時間53秒、グランパスは南山陣40ヤードからの攻撃だが時間がないのでパスを連発し、
何とかゴールまで30ヤードまで進む。
残り15秒。
QB#2梶原君から投げられたパスは、エンドゾーンまで走りこんだ#6石川君へぴたっと決まる。
30ヤードのTDパスが見事に成功!
PATも決まって7-0で前半終了となった。
パスキャッチしTD直前の#6石川
グランパスはTDを奪いリードをしているが、正直、五分五分の戦いと私は見た。
後半はどうなるかまったく予想不可能だが、何とかもう1本TDをとって2本差をつければ勝てると思う。
幸い今日はパスがそこそこ通っているし、
南山のランプレーはグランパスDL陣の活躍でロングゲインを許していない。
隣りのレゲエ&ラップの大音響が何とも興ざめだったが、
試合に集中しているとそれも私の耳には入ってこなくなっている。
後半開始。
グランパスは自陣40ヤードからのオフェンスとなる。
最初のプレーでパス成功!と思ったら、なんと、
南山LBはボールをもぎ取りいきなりターンオーバーとなってしまった。
これはミスというより、南山の執念というべきか。
しかし次の南山のシリーズを抑えパントとさせるが、パントをグランパス選手はブロック!
グランパスは南山陣42ヤードから攻撃となった。
が、フレッシュを奪えず、南山は再び自陣18ヤードからの攻撃となる。
なかなかチャンスをものにできない。
次に#55伊藤君の激しいタックルもあり、南山はゴール前の悪い位置からのパントとなる。
スナップされたボールはエンドゾーン内で待ちかまえるパンターに行くが、ボールの方向は悪くパンターはファンブルする。
グランパスプレーヤーはなだれ込み、DE#59野田君がボールを抑えTD!!
「やったあ、ビッグプレーだ!!」。
接戦の試合で南山のミスをものにしたこのTDは本当に大きい!
TD2本差であれば私は勝てると思っているので、このプレーはグランパスに勝利をもたらすものだと思う。
4年生野田君にとっては思い出に残るプレーだったでしょう。
14-0とリード。
#59のプレーに喜ぶサイドライン
第4Q突入。
南山は自陣19ヤードからの攻撃だったが、S#31若山君のインターセプトもあり、攻守交代。
しかし次のグランパス攻撃はQBサックで大きくロスしたこともありパント。
南山は名大陣40ヤードからの攻撃。
残り時間を考えると、この攻撃を抑えればグランパスの勝利になると思う。
しかし南山も簡単には引き下がるわけにはいかない。
パスを連続してコンプリートさせ、ゴールまで8ヤードとして、最後はTDパスを決める。
14-7。
「簡単には勝たせてくれないなあ…」。
残り時間は10分弱もあるので、まだ勝敗はどうなるかわからない。
グランパスは最後の根性を見せてほしい!
グランパスは自陣20ヤードからの攻撃。
パスを2本失敗したが、松谷君へ30ヤードのパスが成功し中央まで進む。
続いて梶原君のQBキープで大きく進み、小野君へのミドルパスも決まってゴール直前まで進む。
ここでTDかFGを決めればほぼグランパスの勝利は決まると思う。
4thダウンとなったがゴール直前なのでFGの決まる確率は高い。
キッカー#74水井君は難なくこのFGを決めてついに17-7となった。
南山はTDを奪っても逆転はできない。
FGを決め確実に点を加える#74水井
その後互いに決め手がなく試合終了。
17-7で勝った!
本当に今日の試合は手に汗を握る内容だったが、常に得点でリードしたグランパスが有利に試合を進め勝利した。
また、2本のTDはいずれも南山のミスに絡んだものだった。
やはりミスにつけこんだグランパスは強かったのだ。
これで最終戦の愛知学院に勝利すればとりあえず、同率優勝は確定する。
今シーズンの愛学の力を見れば、グランパスがかなり有利だろう。
しかし油断をせずに有終の美を飾ってほしいものである。
グランパスは普段の練習とともに、くじ引きの練習もしておいたほうがよいかもしれない…ネ(笑)。
がんばれグランパス!!