観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 四日市大学戦 平成17年9月10日 at四日市ドーム
GRAMPUS後援会会長 門池啓史さん
いよいよ、秋のシーズンが開幕した。春のプレシーズンを全勝で乗り越えたグランパス選手諸君は、 厳しい夏の練習をこなし、どこまで成長してくれたのかたいへん楽しみである。
今日はまだまだ残暑が厳しいが、四日市ドームで四日市大学との開幕第一戦が行われる。 四日市大学には春の試合で勝利している。
ここ数年、全て接戦ではあるが、グランパスは四日市大学には連勝しており、 相性が非常によいと言ってもよいだろう。
特に、昨秋は点の取り合いとなり大熱戦を演じたが、グランパスが薄氷の勝利を収めたことが思い出される。 四日市大学はグランパスには苦手意識のようなものを持っているのかもしれない。
グランドを見れば、やたら多くの緑のユニフォームが目に付く。 数えれば五十人弱もいる。
数年前11人プラスαだった時代に比べると、本当に部員は増えたものだ。 心強いばかりである。これなら完全なツープラトンで試合ができそうである。 一方四日市大学は総勢三十名もいない。
これでは後半疲れてグランパス有利かな、と思うがどうであろうか。
グランパスのキックオフで試合開始。
四日市大は自陣40ヤードまでゲインするもファーストダウンできず、パントとなりグランパスの攻撃となる。 しかし、グランパスも反則を重ねファーストダウンできず、パントとなる。
次のプレーで四日市大は40ヤードのパスを通しグランパス陣内深く入る。
ここで四日市大は4thダウンギャンブルを試みるも、グランパス強力ディフェンスが押さえ、攻守交替となる。 相変わらず、DL陣とLB陣は強力だ。
グランパスの中央付近のランプレーは、相手DLに押さえ込まれて、なかなかゲインできない。 とくに四日市大DLのセンターにうまくコントロールされている感じがする。
第2Qに入りグランパスは相手ゴールライン近くまで攻めるが、 RBの痛恨のファンブルでターンオーバーとなり、点は入らない。
四日市大も決め手がなく、互いに文字通り一進一退の試合が続く。 とくに、グランパスは何度もパスを試みるが、あと一歩というところでコンプリートとはならない。
よいパスは投げられているとは思うが、レシーバーとのタイミングなのか、 個人的能力なのか、インコンプリートばかり続く。
グランドにはQB本間君から投げられたボールが空しく転がる。 「やっぱり、パスが課題か・・・。」と私はため息を漏らす。 前半は両チームとも、これといった盛り上がりもなく0-0で終了。
後半に入った直後、エースRB児島君が中央付近をするすると走りぬけ、 60ヤード以上独走し、タッチダウン!
「ようやくタッチダウンか、やったあ!」と一安心。
「んっ??」グランドに黄色い布切れが見える。「あれっ、??」
審判は手首を手で握った後、グランパスの方に手を広げた。一番よくやるホールディングの反則だ。 「あーあ、せっかのタッチダウンだったのにー」と思わず呟いてしまった。
しかし、その次のプレーで#23RB中村君はディフェンスを何人も振り切り、 巧妙なカットバックを繰り返し、50ヤードのロングランを決める。
見事なランで、四日市大ゴールラインすぐ近くまで来た。
いよいよTDか、と思った瞬間痛恨のファンブルで攻守交替となってしまった。 点は入らない。
その後、四日市大のリバースプレーに見事にひっかかり50ヤードのゲインを許したり、 グランパスのパスをインターセプトされたりして、ペースを握れない。
ふと気付けば、四日市大はグランパス陣20ヤード付近まで来ている。 4thダウンで、フィールドゴールを狙いに来た。
「やばい、これは3点取られるかも・・・。」と思う。 しかしここはキックをブロックし、点を与えない。
さすがディフェンスは強い。
0-0のままついに第4Qに入ってしまった。予想通りの接戦となっている。
が、なぜか四日市大に点を取られる気がしない。 ディフェンスが安定しているからだろう。ひょっとするとこのまま引き分け?とも思ってしまう。
一進一退が続き、第4Qも後半に入った頃、 #21RB高木君が40ヤードの独走ランで、タッチダウン!
やっと点が入った。グランパス応援席はようやく歓声が沸いている。 しかし、PATのキックは外してしまう。
その後の四日市大のオフェンスを難なく止め、試合終了約1分前、 またもやRB高木君がタッチダウンをあげ、グランパスの勝利を決定づけた。
12-0で何とかグランパスは勝利を収めた。
後半は部員が少ないため?、四日市大の選手は疲れていたように見えた。 冷静に判断すれば地力に勝ったグランパスの勝利ということになるのだろうが、 第3Qまでは全くの互角の勝負だったように思う。
今日の試合で苦戦した一番の理由は、パスが通らなかったことではないかと私は判断した。
前半パスがほとんど通らなかったため、後半はランが中心となり 四日市大もランプレーを想定して、ディフェンスし易かったのではないかと思う。
WR陣、TE陣は下級生が主体のため致し方がないこともあるだろうが、 今後上位チームとの対戦時はかなり厳しい戦いを強いられるのではないだろうか。
次は強敵、名城大戦。何とか善戦を期待したいものだ。