観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 名城大学戦 平成17年9月25日 at大垣市浅中グラウンド
GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん
台風が東海地方をかすめた本日。快晴の空は高く、きらきらと陽光が眩しい。
しかし強風で日陰にいると寒いくらいだ。
今日は開幕第二戦。
三強の一角、対名城大学戦が大垣浅中競技場で開かれる。
名城大学は、第一戦を四日市大学相手に65-6の大差で勝利している。
一方、グランパスは先回、四日市大学に12-0で勝利してはいるが、試合は最後まで接戦だった。
単純に結果だけみれば、グランパスにとって名城大学はひじょうに手ごわい。
というか、客観的に第三者がみれば、「名城にはとても勝てないよね・・・」などと思われても仕方がない。
とくにグランパスは四日市大学戦ではオフェンスが不振で、とにかく点が取れなかった。
今日の名城大学戦は一体どうなるのだろうか、私は不安で一杯だった。
試合開始直前、観客席を見れば名城大学選手の父母と思われる方々や
関係者がたくさんいらっしゃり、すごいなと思う。
何とか我がグランパスも後援会をもっと充実させなければならない、と考えさせられた。
名城大学のキックオフで試合開始。
ボールが強風で流されグランパス・リターナーがファンブル。
何とか自分でボールを抑えたが、自陣10ヤード付近からの攻撃となる。
私は思わず、「あーあ、最初からこれかよ・・・」と唸る。
最初のオフェンスはQB本間君のキープ(となってしまった?)で6ヤードのゲイン。
次のプレーで#9吉田君に15ヤードのパスが通る。
いきなりファーストダウン(FD)だ。
「お、いいぞ、いいぞ、いいスタートだ」と心の中で叫ぶ。
次のプレーでショットガンから40ヤードのパスが#8中村君に通る。
「ええ、すごいじゃん!」と我ながら興奮する。
前回、四日市大戦でほとんど通らなかったパスが、今日は強豪相手に次々と決まっている。
しかし、次のランプレーが決まらず、ゴールライン10ヤードでフィールドゴール(FG)を試みる。
が、ここでセンターからのスナップが悪くボールデッドとなってしまった。
名城大学自陣10ヤードから、名城最初の攻撃。
RBがオフタックルをするすると抜けて、独走ランとなった。
あれあれと思っているうちに、タッチダウン(TD)となってしまった。
なんと90ヤードのランだ。
「あーあ、これなんだよなあ・・・」私はがっくり。グランパス応援席は静まり返っている。
せっかくいい攻撃が続いたのに、一発でTDを取られてしまい、
私は内心「これは、大差で負けるのかな・・・」と相手が強敵なだけに、悲観的に考えてしまう。
名城大学キックオフで試合再開。グランパス20ヤードから反撃開始だ。
何度もランプレーが決まり、FDを重ねる。意外にも、ランが通っている。
敵陣深く入って、3rdダウン5ヤードでトリックプレーを行うが、見事に大きくロス。
「残念!」と思っていたら、名城大学にオフサイドの反則があり、FD獲得。
たいへんラッキーだ。
そして#8中村君にTDパスが決まり同点となった。
PATも決まり7-6でグランパスがリードする。
今日は名城大学のオフェンスをグランパス強力ディフェンスが押さえ、FDをなかなか与えない。
グランパスは攻守ともにひじょうに調子が良いようだ。
名城大学自陣30ヤード付近。
名城大学の4thダウン・パントのスナップが悪くファンブルし、これをグランパスがリカバーする。
もうゴールまですぐそこだ。
ここは#17エースランニングバック、兒島君が走りTD!
なんとグランパスが13-6でリードした。
しかし、名城大学は一体どうしたんだろう?
全くいつもの調子がでないのか、グランパスが強いのか、どうなっているのだろうか。
まさかメンバーを落としてはいないとは思うが、
隣のマネージャーさんに確認してみると、名城大学はいつものスタートメンバーと同じようだ。
13-6でリードして第2Qに入る。
5分が過ぎたあたり、中央付近のプレーで、#45一年野田君に15ヤードのパスが決まった。
と思った瞬間タックルをくぐり抜け、独走だ。
走れ!走れ一年生!
50ヤード走ってTDとなった!すごい!
PATも決まり、20-6で前半を終了。
「これはひょっとすると勝てるかも」と思いつつ、
「いやいや、名城はそんな弱くはないぞ」と自分の心の中で相反する気持ちが葛藤している。
「負けたら悔いが残るだろうな」などと私も混乱してきた。
とにかく、あの名城大学にTDで2本差を付けていることは事実なのだ。
あれやこれや考えていると、後半開始となった。
後半に入ると、名城大学のランプレーか決まり始めた。
FDを重ね、最後は10ヤードのランを決められてTDを取られる。
PATも決まり20-13となる。
しかし、依然としてグランパスはリードしているのだ。
その後グランパスDB陣の必殺タックルがよく決まり、名城大学にFDを与えない。
第4Qに入ってすぐ、名城大学自陣1ヤードで名城はパントとなった。
もちろんゴール内からのパントである。
ここでスナップが大きく外れ、名城大学は痛恨のセイフティを取られた。
これで22-13となる。
1TD取られても、まだグランパスがリードだ。
このセイフティは本当に大きい。
今日のグランパスは先回の四日市大学戦とは全く異なり、攻守ともに絶好調だ。
名城大学は予想以上に強いグランパスに、驚きと焦りを感じているのではないだろうか。
グランパスのオフェンスはFDを続けたが、
名城大学陣深く攻め込んだところで3rdダウンロングを取れず、FGかな?
と思っていたら、なんとここで名城大学側にパーソナルファールが与えられた。
15ヤードの罰退となって、幸運にもグランパスのFDとなった。
最後は#8中村君にTDパスが決まり、PATも成功し、29-13となる。
これでもうTD2本取られてもまだグランパスがリードしていることになる。
「ええ、これってほんと?」自分自身でも信じられない。
第4Qも半ばに入り名城大学のパスをインターセプトしたり、グランパス4thダウン・パントの体型で、蹴ると見せかけて、
QBからのパスが見事に決まりFDを取ったりと、とにかくグランパスのプレーは何をやっても上手く機能している。
こんな上出来の試合は、私もグランパスを7年間応援して初めてのことだ。
終了近く、もう一本TDを取り、36-13となり完全にグランパスの勝利が決まる。
試合終了直前、名城大学に与えてもいいと思われるTDを与えて、36-19で試合終了。
グランパス応援席は大騒ぎだ。抱き合って喜んでいる人たちもいる。
隣のマネージャーさんは嬉し涙を流している。
私は初秋の大垣で、夢を見ているようだった・・・。
正直言って(ごめんなさい)、名城にはとても勝てるとは思ってもいなかった。
もし勝てるとしたらラッキーが重なり、僅少差でだったら勝てるかもしれない。
いくら気合を入れても、実力差は歴然としている、勝てない、としか私には思えなかった。
しかし、しかし、それは私の思い違いに過ぎないことがわかった。
なぜなら、今日のグランパスは正攻法で真っ向から勝負して、完全に試合内容は圧倒していたからである。
トータルオフェンスも名城大学を遥かに超えている。
聞けば、名城大学には11年ぶりの勝利だそうだ。
グランパスの選手諸君、マネージャーの皆さん、監督・コーチの皆さん本当におめでとうございます。
また、私の思い違いと偏見をお許し下さい。
来週は、強敵中京大学との一戦だ。今日の調子なら勝てる!必勝を祈願しよう。