観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 甲南大学戦 平成20年6月22日 at大阪エキスポ・フラッシュフィールド
GRAMPUS後援会会長
門池啓史さん
梅雨入りしてしばらくは晴天の日もあったが、ここ一週間ほどは毎日雨が降っている。
大阪も、小雨が降ったりやんだりのはっきりしない天気だ。
本日は、甲南大学との定期戦が大阪吹田にあるエキスポ・フラッシュフィールドで開催される。
甲南大は昨秋、関西リーグ二部に所属していたが、
二部で優勝し、入れ替え戦も二連勝し一部に昇格した。
関西リーグの一部といえば、
日本の大学フットボールではトップレベルの力を持っている。
その一部リーグのチームと試合できることは、
我がグランパスにとっても大変よい経験になるはずである。
昨年も一昨年もグランパスは甲南大には負けてはいるが、
そこそこの試合内容であった。
一方的に負けたわけではない。
今日はどんな内容になるか大変興味深い。
私が座っている隣には、グランパス重鎮OBの方々が並んでいる。
いろいろお伺いするにはよい機会だ。
小雨がぱらつく中、甲南大のキックオフで試合開始。
#31リーターナーの若山君がブロックを巧みに使い、自陣40ヤードまで返す。
あまり見慣れない選手だなと思い、メンバー表を見ると一年生である。
一年生で春の試合から出場できて、よい走りをしているので、
これは高校時代フットボールの経験者かな?と思う。
出身高校を見ると、名古屋では数少ないフットボール部がある高校だ。
まあ、間違いなく経験者だと思って確認したらやはりそうであった。
グランパスでは久しぶりの高校経験者である。
#31 DB 若山岳 今後の活躍にも期待大です
出足好調だと思った次のシリーズで、
#6QB野田君からRBへのピッチがうまくいかず、ファンブル。
これを甲南がリカバーして、いきなりのターンオーバーとなってしまった。
「名大陣でのファンブルだから、まあいいか…」と思う。
次の甲南のシリーズを4thダウンパントとさせ、
グランパスは自陣5ヤードからの攻撃開始。
QBから#88WR友枝君への20ヤードのパスが通る。
二年生の長身WR、友枝君は今春から本格的にデビューしたが、
今後頑張ってほしいものだ。
#6 QB 野田剛史 パントを決め、試合の流れを名大側に
その後、両チームとも決め手となるオフェンスができず、パントの繰り返しとなる。
いまのところ、グランパスは互角に戦っている。
しかし、相手は何せ関西リーグ一部所属の強豪チームなので、たいへん不気味である。
第2Qに入る。
#3リターナーの大嶋君が自陣40ヤードでパントをキャッチ。
走りに走って、甲南のゴール近くまで走る!
これは絶好のタッチダウン(TD)のチャンスだ。
#17RB溝口君が簡単に2ヤードを走りぬけ、先制TDを取る!
強豪相手に良い展開だ。
ポイントアフタータッチダウン(PAT)は外して、6-0となる。
#33 稲垣 #24 西垣 KOラッシュ TD後、TFPに臨むキックチーム
第2Q終了近く、甲南は地道に長いドライブを続け、
最後はQBピッチからRBがTDをあげる。
PATも決め、6-7とリードされる。
前半残り50秒からグランパスも反撃したが、後一歩で得点をあげることはできなかった。
6-7で前半終了。
甲南大:7-6:名大
前半を見る限り、グランパスはなかなか健闘しているのではないかと思う。
ライン戦も負けていないし、互角に近い戦いをしているように思う。
しかし何せ相手は強豪なので油断は禁物である。
後半開始。
互いに決め手を欠き、一進一退が続く。
グランパスオフェンスはロングゲインがほとんどできていないが、
ラン、パスともそこそこ決まってはいる。
ディフェンスは甲南のランプレーをよく止めているし、長いパスも通させていない。
名大ディフェンス 名大オフェンス
隣にいる、OBの方々もグランパスの健闘に意外な?表情を見せている。
「これは、ひょっとすると勝てるかも…?」と私は思い始めてきた。
第4Q突入。
中央付近でグランパス4thダウン、インチとなった。
ここはギャンブルか手堅くパントか、あるいはスペシャルプレーでもあるのか。
隣のOBの皆さんも意見が分かれている。
相手が強豪だから無難にパントか、あるいはチャレンジング精神でギャンブルか、
注目される。
結局、ここは無難なパントをグランパスは選択した。
私は「せっかくだからギャンブルしたら…」とも思ったが、
ここは判断の難しいところなんだろうと思われた。
その後、#4二年生DL、丹羽君のよいタックルがあり、
LB陣のQBサックがありとナイスディフェンスが続いている。
#4 DL 丹羽 #74 DL 竹腰
#13 DB 奥村健太
しかし、甲南は6分過ぎにフィールドゴールをきっちり決めてきた。
6-10となり、グランパスはTDを取らないと勝てない差となった。
残り2分20秒、グランパスは自陣25ヤードからのオフェンスとなる。
これが最後の攻撃だろう。
中央付近まできて4thダウン、もちろんギャンブルだ。
ここは#12WR佐藤君に10ヤードのパスが決まり、1stダウンを奪う!
やはり頼みは、4年生コンビの野田⇒佐藤のパスかもしれない。
#12 WR 佐藤洋志
残り20秒で再び野田君から佐藤君へロングパス!
決まればTDかもしれない!
ボールは曇天の空を走る。
WR佐藤君がエンドゾーンに向かって走る!
佐藤君はキャッチングの態勢に入った!
……しかし、ボールは甲南DBの手元にすぽっと入る。
無念のターンオーバー。
6-10で試合終了。
負けたとはいえ、強豪相手に互角の戦いを見せてくれて、
グランパスは健闘したと思う。
とりわけディフェンスの活躍が光った一戦だったと私は思った。
敢えてキーポイントを言えば、第4Q、
中央付近での4thダウンインチのパント選択だったのかもしれない。
もちろん試合は全体の流れの中にあるので、
一つのプレーを取ってもあまり意味がない。
が、あそこでギャンブルを選択していたら
また違う展開になっていたのかもしれないとも思う。
しかし、パントを選ぶのは極めて正攻法であるのは間違いのないところだ。
隣のOBの方々からも「難しい判断だね」という意見だった。
今日はOBの方からいろいろな技術的な話を聞かせていただき、
私には本当に興味深く、かつ勉強になった。
ありがとうございました。
春の試合はこれで全て終了した。
新チームとなって課題も見えてきたと思われるが、
9月までの二ヶ月余りの中で精進し、秋のレギュラーシーズンを迎えて欲しいものだ。
今年こそは「優勝」を心から願っています。
ファイトオン!グランパス!
春フェスタ応援ありがとうございました。
名大グランパス