観戦記
後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。
観戦記 大阪大学戦 平成22年5月15日 at大阪大学グランド
GRAMPUS 後援会会長
門池 啓史 さん
新チームとなり、第一戦の静岡大学を無難に勝ったグランパス。
本日は大阪大学との交流戦が大阪大学豊中グランドで開催される。
名大対阪大戦は「名阪戦」と呼ばれて長い間、毎年春に開催されている。
ここ10年ばかりの対戦をみると、互角の印象を受ける。
昨年は新型インフルエンザの影響もあってか?
阪大は精細を欠き、グランパスが勝利した。
阪大は関西リーグの二部に所属しているが、一昨年秋は優勝を飾り、
昨秋は二位となった強豪チームなので、グランパスにとっては相手に不足はない。
関西リーグは日本の大学リーグでも一番レベルが高いといわれているため、
二部といえども強豪がひしめいている。
それと、阪大は今春関西リーグ一部所属の神戸大学と引き分けの試合をしている。
今日は厳しい試合が予想されるがどうだろうか。
気持ちよい快晴の下、阪大のキックで試合開始。
試合前練習中のグランパス陣
キックされたボールを#1リターナーの伊藤君が、
自陣10ヤード付近でキャッチ。
阪大の選手が20ヤード付近でタックルを試みるも、
伊藤君は上手くこれを外し、走る。
彼の前ではブロッカーが上手く阪大選手をブロックし、前には誰もいない。
伊藤君は走る!
走って、阪大陣20ヤード付近でタックルされた。
これはいきなりのビッグチャンスだ。
ナイスブロックが効いていた。
WR#1伊藤のラン
QB#9友枝君からWR#22安田君への15ヤードパスが決まり、ゴール直前まで近づく。
これは強豪相手に先制TDのチャンスだ!
しかし、阪大ディフェンスもよく踏ん張り、
4thダウン25ヤードのFG(フィールドゴール)トライとさせる。
グランパスは最近キックが苦手であるので、
ひょっとするとキックとみせかけパスでも投げてくるのだろうか、
と一瞬思ったが、ここは無難に蹴って両ポストの真ん中を通し、
まずは3点先取とした。
3-0。
試合に駆けつけてきたOB会の方々
グランパスのキックで試合再開。
阪大は自陣45ヤードからの攻撃となる。
阪大QBはWRにパスを投げる。
グランパスLBとDBとの間にぴたっとパスは決まり、そのままWRは40ヤード近く走る。
ゴールまであと少しの位置まで来られてしまった。
「これは防ぎようがないよね…」と思う。
しかしその後の阪大のオフェンスをグランパスはしっかり抑え、
FGの3点に押さえる。
3-3の同点。
その後グランパスはパスとランをうまくまぜ阪大陣深くまで攻めるが、
決め手に欠け点を奪うことが出来なかった。
RB#17溝口のラン
第2Q開始。
阪大のオフェンスを止め、グランパスは自陣40ヤード付近から攻撃となる。
RB#17溝口君のナイスランやWR安田君へのミドルパスが決まり、
阪大ゴール近くまで攻め入る。
ここで梶原君がオープンを抜けTDを奪う!
PATも決まり、10-3。
グランパスは互角以上の戦いをしていると思う。
グランパスDL陣
前半終了近く、阪大はロングパスを決め、名大陣内深く攻め入る。
1stダウン、ゴールまで15ヤードまでと阪大は攻めるが、
残り時間が3秒となってしまい、ここは無難にFGを狙いにきた。
「これは決めるな…」と私は思ったが、キックはゴールポスト左を僅かにはずれ無得点。
10-3で前半終了。
前半を見ればグランパスは善戦して、
トータルオフェンスヤードは阪大を大幅にしのいでいると思われる。
グランパスのキックオフ
グランパスのキックで後半開始。
阪大最初のシリーズを難なく押さえ、パントとさせる。
しかしグランパスは次のシリーズで、パスをインターセプトされ、
阪大の中央付近からの攻撃となってしまった。
「一試合で、一つくらいのインターセプトは仕方ないでしょう…」と私は内心思う。
次のシリーズでもグランパスディフェンスはよく守り、
阪大は名大陣40ヤード付近から4thダウンで10ヤード近く残し、パントとなる。
パンターはボールを蹴る、と思ったらなんとパスを投げてきた!
WRはボールをキャッチすると前には誰もいない。
「??」。
阪大WRは40ヤード走りTDを簡単に取ってしまった。
まったく、予想もしないプレーだった。
見事にやられてしまった。
阪大のプレーコールはぴたっと決まったのだ。
PATも決まり、10-10の同点となる。
私は阪大のプレーに頭が下がった。
完全に私もだまされてしまったのだ。
阪大のキック。
#31リターナーの若山君が、自陣5ヤード付近でキャッチ。
左に10ヤード位走ると、グランパスの二人の選手が阪大選手をブロック。
若山君はするりと左に抜けると、前はがら空きだ!
「走れ、走れ!」
阪大の選手数人が必死に追走する。
しかし若山君は走りぬけ、エンドゾーンに入った。
TD!
「やったあ!」
直前の阪大のフェイクプレーに見事にだまされた私は、ここで胸がすく思いだ。
PATも決まり、17-10とリード。
TDをきめる#31若山
第4Qに入る。
グランパスは自陣10ヤード付近からの攻撃となるが、ひじょうに悪いポジションだ。
ここは少しでもゲインを延ばしてほしいものだ。
と、やや不安に思っていたら、FD(ファーストダウン)を連続してとることが出来、
そして#19七田君が約40ヤード走り、阪大陣30ヤード付近まできた。
グランパスはよいプレーが続き阪大に勝てる、と私は思った。
しかし、4thダウン2ヤードからのギャンブルが決まらず攻守交替となる。
次のシリーズで、阪大は自陣30ヤードから、1stダウンでRBが中央を抜け、
なんと70ヤードも走られてTDを奪われてしまった。
グランパスディフェンスは気を抜いたわけでは決してないと思うが、
ギャンブルが不成功に終わり攻守交替となってしまい、
何か、瞬間の隙間をつかれてしまったとしか言いようがないプレーだった。
しかし阪大はここで2ポイントコンバージョンを狙いに来るが、
何とか押さえ17-16と、かろうじてリードを保つ。
かけつけてくれた応援団
次のグランパスのシリーズはFDが取れず、阪大は中央付近からの攻撃となる。
残り時間が2分前後となってきたので、ここを押さえればグランパスの勝利となるだろう。
しかし、阪大はしぶとくFDを取り、ゴールまで15ヤードまで進んできた。
残り時間はあと僅かだ。
グランパスディフェンスは何とか、ここを上手く押さえるが、4thダウンFGとなり、
阪大は難なくこれを決め、ついに17-19とリードされてしまった。
残り時間は10秒しかなかったので、グランパス必死の攻撃も成らず、
17-19で試合終了。
グランパスは私の予想に反して、阪大に善戦したように思う。
スタッツ(攻撃の総獲得ヤード数)では多分、阪大をかなりオーバーしたのではないか。
常に点を先行して、有利に試合を進めてきたので残念だ。
しかしスポーツは結果なので、敗戦は敗戦だ。
次戦は、あの京都大学との試合が組まれている。
グランパスが京大相手にどこまで食い下がることができるか、たいへん興味深い。