観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記  中京大学戦 平成22年10月16日 at名古屋学院大学グラウンド


GRAMPUS 後援会会長
門池 啓史 さん

開幕の名城大学戦に惜敗した後、
四日市大学、愛知学院大学と圧勝したグランパス。

現在、2勝1敗ではあるが、
残り二試合を連勝すればまだ優勝の可能性は充分ある。

三試合を見た感想を述べれば、
正直言って、私の予想よりグランパスは強かった。

今日は強敵、中京大学の試合が行なわれるが、
中京には数年前一回勝っただけで、ここ20年ばかりは連敗続きである。

しかし、今シーズ両チームの試合を見る限りは、
グランパスは中京に決して勝てないことはないと思われる。
もちろん難敵であることに間違いはないが…。

今日の試合会場の名古屋学院大学グランドに私が訪れるのは、
なんと25年ぶりである。
あの頃、私は「若かったなあ…」などと、
当時を思い出しながら懐かしさがこみ上げてきた。

まさか、現在の自分の人生がこうなっているとは思いもしなかった(←余計なことでスミマセン)。


試合直前の様子

ここは人工芝の緑が鮮やかなグランドだが、
観客席はないためかなり近くからの観戦となる。

気温25℃青空の中、中京大学のキックで試合開始となった。

グランパス自陣30ヤード付近からの攻撃開始。

RB#17溝口君のナイスランが続き、連続してフレッシュを取る。

中京のパーソナルファールがあったり、
QB#9友枝君からWR#22安田君へのミドルパスが決まったりして、
中京のゴールまで10ヤードとなった。

オフェンスが上手く機能している。これは出足好調だ。

溝口君が5ヤード走り、ゴールまで5ヤードとなった。
「これはTDだな…」と思う。

ショットガン体型で、センターからQBへボールがスナップされるが、
これが友枝君の伸ばした手のはるか上をいってしまった。

これを中京が押さえ、ターンオーバー、攻守交替となってしまう。

強豪相手にせっかく先制TDのチャンスだっただけに、誠に惜しい。

接戦が予想される試合では
このような、つまらないミスが致命傷になってしまうことが多々ある。
そうならないことを切に祈るばかりだ。

中京は自陣30ヤードからの攻撃となるものの、
グランパスDLとLB陣の厳しいプレスにより、フレッシュが取れずパントとなる。

その後両者決め手がなく、第1Q終了。

あっという間に時間は過ぎていく。
0-0。


T.Oで走るスタッフ

第2Q開始。

グランパスパントの後、
中京は自陣30ヤードからパスとランを繰り返し、
フレッシュを続け、グランパス陣25ヤードまで進む。

ここで中京は17ヤードのパスを通してゴールまで8ヤードと、ピンチだ。

中京はここで簡単にTDパスを通し、先取点を奪われる。
PAT(ポイントアフタータッチダウン)も決められ0-7となってしまった。

強豪相手に先にTDを取られるのはなんとも、具合が悪い…。
グランパスは自陣20ヤードから攻撃開始。

溝口君のナイスランが続いた後、
RB#19七田君の25ヤードランがあり、大きく前進。


ナイスランが続くRB#17溝口

今日のグランパスオフェンスは結構機能していて、
ランもパスもそれなりにゲインしている。

OL陣も中京のDL陣をうまくコントロールしているようだ。

QB友枝君は中央付近から、
RB#29梶原君に10ヤード前後のパスを通す。

ボールをキャッチした梶原君は、
うまく相手LBを交わして走る!

DBのタックルもうまく外してそのままエンドゾーンまで走りぬけ、

TD!

PATも決め、 7-7の同点となる。

「ふー、これで同点、これからが勝負だ」と私は気を持ち直す。

その後グランパスにチャンスはあったが、
ボールファンブルによるターンオーバーで得点できずに、
前半終了。


同点TDを決めたRB#29梶原

7-7。

前半を見る限り、両者互角の戦いのように思えるが、
私はややグランパスの方が力は上回っていると判断した。

残念なのは、
相手ゴール近くでつまらないミスで二つのターンオーバーがあったことだ。

力では上回っていても、ミスで試合を落としてしまって、
悔やんでも悔やみきれないというのはどのスポーツでも同じだ。

後半開始。

グランパスのキックで試合は再開されるが、
ここでグランパスはなんと、
オンサイドキックを選択する。

軽く蹴られたボールは中央付近をコロコロころがる。

グランパス選手がなだれ込みこのボールを抑える!

全くの予想外のプレーに私は驚くばかりだ。

いや、中京の選手はもっと驚いているに違いない。
なにはともかく、グランパスは中央付近からの攻撃となった。

グランパスは中京陣内30ヤード地点で、
4thダウンインチとなる。

ここは当然ギャンブルだが、
溝口君が16ヤード走り、ゴールまで14ヤードと迫る。

続いて、プレーアクション
(ランと見せかけ、パスを投げるプレー)が見事に決まり、
友枝君から梶原君へTDパスが決まる!

PATは失敗するが、
13-7とリードする。

「いいぞ、いいぞ、いい感じ!」

互いにパントをした後、中京は中央付近から、
WRに10ヤードのパスを決める。

が、前には誰もいない!

グランパスDBが必死になって走るが追いつかず、TDを奪われる。

PATも決められ、
13-14とリードを許してしまった。

「あんなロングパスが通るかよ…」
と私はテンションが下がる。

中京のキックを#31リターナー若山君がキャッチ。
するする走ると、
前方でナイスブロックがあり、中京の選手が倒れる。


ロングリターンに成功したDB#31若山

若山君は走りに走って、ゴールまで25ヤード地点でタックルされる。
ビッグプレーだ!

第3Q終了。

いよいよ第4Qに入る。

文字通り手に汗を握る展開だ。
ここでグランパスの真価が問われるのだ、

頑張れ!

グランパスはゴール前25ヤードからリバースプレーにでた。

ボールをRBから受け取ったWR#1伊藤君は、
そのままエンドゾーンまで走りTD!

「やったー」
と思ったら、隣のOBの方から、「イエローですよ」と言われる。

グランパスのホールディングでTDは幻となってしまった。

瞬間、喜んで盛り上がってしまった自分がせつない。
「……」

気を取り戻し、グランドに注目する。
ゴールまで10ヤードもない地点で4thダウンインチとなった。
さてここでどういう選択をするのか。

ギャンブルかフィールドゴール(FG)か?
FGが決まれば2点リードするが、ギャンブルでくるかもしれない。

グランパスはここでFG体型をとってきたが、フェイクプレーも充分ありうる。


FG成功RB#17溝口

しかし、
ここは素直に蹴ってきてボールは両ポストの真ん中を通る。
FG成功で、16-14とリード。

さあ、これからが勝負だ!

両チームのパントの後、
中京は中央からWRへミドルパスを投げてきた。
ボールが中京WRの両手に入りかけたところに、グランパスLB#55一年生の伊藤君が手を伸ばす!

WRの手にボールが入ったと思った瞬間、
伊藤君はボールを奪い取って押さえる!!
パスインターセプトで攻守交替だ!
「す、すごい!」


インターセプトを決めたLB#55伊藤

私は数多くインターセプトを見てきたが、
このようなぎりぎりのパスインターセプトは見たことがないくらいである。
一年生の超ファインプレーだ。

一気にグランパスは気勢が上がる。
その後、グランパスはキャプテン、LB#43上田君やDL#59野田君の素晴らしいパスカットが続き、
中央付近からの攻撃となる。

まさに息詰まる熱戦だ。
グランパスは中央から、右スイーププレーで溝口君がオープンを走る。
中京LBとDBのタックルを上手くかわし走る!
「行け、行け!」

溝口君は50ヤード走りTD!

私はグランドにイエローフラッグがないことを確認し、ジャンプする。
「やった!これで決まったぞ!」

PATも決め、ついに23-14となった。
残り時間は3分を切っているので、これで勝負あった。
その後、若山君のインターセプトがあり、完全にグランパスの勝利は決定した。

23-14。

しかし、しびれる試合だった。

23-14で試合終了

私も久しぶりに興奮した。
最高の試合だったと思う。
グランパスは私が思っていた以上に強くなっている。

これで3勝1敗となり、
最終戦でいよいよ優勝をかけて南山大学と対戦する。

今シーズン、南山はのりにのっており目下4連勝中であるが、
現在のグランパスの力であれば互角以上の試合は可能だと思う。

優勝だ、グランパス!

ご声援ありがとうございました!!

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