観戦記

後援会会長・門池啓史さんの観戦記を掲載します。

観戦記  名古屋工業大学戦 平成23年4月24日 at名大グランド



GRAMPUS 後援会会長
門池 啓史 さん

昨秋、名大グランパスは東海リーグ優勝をあと一歩で逃し、
たいへん悔しい思いをした。

今日は、新チームとなっての初試合が名大グランドで行なわれる。

新チームは昨年の悔しさをばねに、
是非とも今年は優勝を勝ち取って頂きたいものである。

本日初試合の相手は、
東海リーグ二部所属の名古屋工業大学である。
普通に考えるなら、
今日はグランパスの圧勝になるのではないかと思われるがどうであろうか。


審判を務めてくださるOBの方々

4月に入っても肌寒い日が続いているが、
今日もひんやりとしていて選手にとっては好条件であろう。
緑鮮やかな人工芝には、多くの名大の選手が試合前の練習をしているが、
名工大の選手を見れば人数が少ない。
17~8名の選手しかいない。ということは
必然的に攻守兼用の選手が多く疲労が重なり、
後半はばててくることが予想される。

私は「これは大差の試合になるな…」と予想する。


試合前の練習風景

グランパスの注目はまず、クォーターバック(QB)である。
昨年までのエースQBは卒業した。
新しいスターターQBは、三年生の#29梶原君である。
彼は昨年も時々QBとしてプレーはしていたが、
主にはRBとしての出場であった。
フットボールはまずチームの司令塔であるQBの存在がひじょうに大きいので、
注目である。


試合前の整列 緊張の時間が流れる

青空の下、名工大のキックで試合は始まった。
ボールを#31リターナーの若山君がキャッチすると、#12亀井君にピッチする。
これにふられた名工大選手の横を通り、亀井君は走る。
ナイスブロックもあり、亀井君はするりするりとカットバックで名工大選手をかわし、
エンドゾーンへ向かって走ってタッチダウン(TD)!
いきなりのキックオフリターンのTDである。
ポイントアフタータッチダウン(PAT)も決まって、まずは7-0となる。

「やはりこれは、大差の試合になるな…」と思う。


試合開始直後にTDを決めた 3回生 亀井紀幸

名工大は中央付近からの攻撃となる。
しかし、最初の攻撃は強力グランパス守備陣に押さえ込まれ、パント。
グランパスは、自陣35ヤード付近からの攻撃となるが、
いきなりQBサックを受けボールをファンブルし、
これを名工大が抑えターンオーバー(攻守交替)となってしまった。

これはピンチである。
名工大はRBがオープンに走って1stダウンを奪ったが、
次に4thダウンギャンブルが決まらず攻守交替となった。
グランパスは自陣30ヤード付近からの攻撃も、
またもやQBサックを受けてしまい、ボールをファンブルして攻守交替。
どうも名工大のエンドに上手く突っ込まれていて、これを防ぐ選手がいないようだ。
アサイメントの修正が必要かと思われる。


サイドラインからの真剣なまなざし

名工大はまたもや名大陣奥深くからの攻撃だ。
ピンチだったがグランパスはよく抑え、
4thダウンフィールドゴール狙い(FG)とさせるが、
名工大キッカーはこれを外す。
10分頃、グランパスは26ヤードのFGを決めて10-0とリード。

第2Qに入る。
グランパスは中央付近やや名工大陣よりからの攻撃。
QB梶原君はドロップバックして、大きく腕を降りロングパスを投げる。
エンドゾーンに向かってWRは走っている。
ボールは青空の中を回転して飛ぶ。
エンドゾーンにはフリーになったWR#6石川君がいる。
ボールはスポッと石川君の腕の中に入る!
「やったあ!ロングパスが決まった!」と私も観客も沸く。

しかし、中央付近には嫌な黄色い布切れがぽつんと落ちている…。
反則のイエローフラッグだ。
通常考えられるのはグランパスのホールディングの反則である。
TDなしとなってしまうので、私はがっかり。
しかし、しかし、このイエローフラッグは
名工大選手への「ラフィングザパサー」
(QBがボールを投げた後タックルする反則)であったので
TDは認められた。よかったです。

PATも決まり、17-0とリード。

その後、
名工大のパスをDL長身の#59野田君がインターセプトして好プレーを見せたが、
またもやグランパスはQBサックを受けて攻守交替となる。
しかし、名工大オフェンスは機能せず、ゲインがほとんどできない。
やはり力の差は歴然としている。


DL 新4回生 野田尚太郎

続いて、RB#21伊藤君のナイスランが続き、
エンドゾーンまで7ヤードとせまる。
RB#23坂田君のナイスブロックがあり、
伊藤君はエンドゾーンを走りぬけTDを奪う。

24-0。

伊藤君は小柄なRBなので、なかなかタックルは難しいのかもしれない。
これは強いチームに対してもたいへん有効なのではないかとも思う。
グランパスのRB陣も今年から入れ替えとなり、
注目されたが今後の活躍が期待される。

前半終了。


注目のRB 新3回生 伊藤舜

まあ、予想通りの内容だと言ってよいだろう。
とにかく名工大オフェンスはほとんど機能していない。
グランパス守備陣は今年もよいかもしれない。
ただ気になるのは、前半3回もQBサックをされたことだ。
アサイメントの誤りか選手個々の問題なのかはよくわからないが、
やや気になるところではある。

後半開始。


グランパスを応援する新入生たち

名工大の最初のオフェンスも難なくグランパスは押さえる。
グランパスは自陣10ヤード付近からの攻撃開始だ。
ランとパスが決まって、じりじりとグランパスは名工大陣深く入り、
最後は9ヤードのTDパスが#6石川君に決まって31-0となる。

勝敗はほぼ決まったので、試合の興味は控えの選手たちの活躍である。
後半は、スターターQB梶原君に代わって
二年生QB#4安田君が頻繁にプレーしている。
彼は高校時代のFB経験者なので、それなりにやってくれると思う。
最初はややぎこちないプレーが続いたが、
徐々に力を発揮して試合に慣れてきている。


新2回生の活躍も光る。 OL 棚瀬智明(左) QB 安田祐真(右)

第4Qに入ってもグランパス攻撃は緩まず、
リバースプレーによるTDやパントリカバーTD、
QB安田君のキープによるTDがあり、
TDを重ねて52-0で試合終了となった。

ほぼ予想通りの内容、点差となった。
まあ、順調な新チームのスタートと言ってよいのかもしれない。
注目の新QBは肩もよさそうで、パス能力も高いと思うし、
守備陣もしっかりしていたように思う。


新QB 3回生 梶原広介

それと、今日私がたいへん安心したのは、キックだ。
FG1本と、PAT7本を全て成功させた。
近来、グランパスはPATキックの成功率があまりよろしくなく、
接戦となるとこの1点が大きく試合に影響することもあった。
7本もPATキックを決めたことは、私の記憶にはない。
空前絶後だ!といっては大袈裟かもしれないが、安心材料ではあった。


安定感のあるキッカー 2回生 水井達也

今春は他に5試合が予定されているが、
阪大、甲南大、京大と関西の強豪大学が対戦校に組まれているので、
どの程度グランパスの力が通用するか期待したいところだ。

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