観戦記

OB会幹事・飯野祐介さんの観戦記を掲載します。

観戦記  大阪府立大学戦 平成24年6月17日 at名古屋大学山の上グラウンド


OB会幹事 飯野祐介さん

例年よりも梅雨入りが早かった2012年であるが、

毎年春シーズンの1試合くらいは必ずといって良いほど天候が悪い。

アメフトが天候にほぼ関係なく試合ができるという意味では、

観客としては中止や延期という心配事がないから良いのだが、選手はいささか違う。

自分もレシーバー経験者であったため分かるが、

とにかく雨天時のボールはとりにくい!

前日も雨だったし、今日の試合はオフェンスが苦戦するかなぁ

と心配していたが、試合当日はしっかり晴れていた。

現役の皆さんの日頃の行いの成果なのだろうか?

本日のグランパスの相手は、大阪府立大学SHRIKESさんである。

昨シーズン、関西二部に上がり、非常に勢いづいているチームであり、

激戦区の関西リーグで揉まれているだけに試合巧者かもしれない。

一方、先週の南山戦勝利で好調をキープしているグランパスだが、

ホームだからといって気を抜いていたら危ない。

 

蒸し暑い気候で少し選手のことも気がかりだったが、

7月になればさらに暑くなるため、

この程度でダウンするのはまだ早いなとも思った。

観客席にはOBや父母の方、学生などで100名くらいはいたのではないかと思う。

やはり名大構内での試合は来やすいのだろうか。

秋には試合動員数を2倍くらいにしたい。

たくさんの観客の方が見守るなか試合開始

 

さて、大阪府立大学のキックにより試合開始。

なかなかキック力のあるキッカーだ。

名大は自陣15ydsから1stdownとなる。

今日のQBは#2の梶原くんである。

最初のシリーズで#6石川くんへの10ydsパスが決まり、観客席が沸く。

しかし、肝心のランプレーがあまり出ない。

#21伊藤くんのスピードを生かしたオフタックルプレーを試みるも、

相手ディフェンスにLOS付近で止められてしまう。

ライン戦は苦戦かな、と思っていたら今度は

#82大常くんへのミドルパスが通りあっさり1stdownを奪う。

大常くんは長身のTEということで、

インサイドパスのターゲットとして期待できそうだ。

期待の長身TE#82大常

続いて#2のキープでもゲインし、確実なドライブが続く。

しかし名大オフェンスのホールディングの反則があり、

結局最初のシリーズはパントとなった。

ランの出来次第で得点はとれそうである。

 

続いて府立大のオフェンスへ。

ショットガンからのパスオフェンスが主軸のようだ。

相手の出方を伺う名大に対して府立大は

中央付近のランプレーで押してこようとするが、何とか名大DLが穴をふさぐ。

今日も堅守が期待できそうと思っているうちにパントとなったため、

パントリターナーは#8の西埜くんかと彼を見ていたらなかなかボールが来ない。

何とスナップミスが起きて、

名大が相手ゴール前5ydsから1stdownというラッキーが起きた。

相手のミスだから良いが、キッキングにはこのような怖さがある。

特にスナップが崩れてバウンドしているボールは、楕円形の性質のため確保が難しい。

グランパスも気をつけたいところである。

好フィールドからオフェンスができた名大は、

#2のキープにより早々とタッチダウンをとり、7-0でリード。

続いて名大のキックにより試合再開。

相手リターナーに走られ、中央付近からの府立大オフェンス。

ランニングバックにかなり走られながらもパントに追い込む。

一方名大のオフェンスは、なかなかランが機能しない。

#24松谷くんのオープンも、先にラインバッカーに回り込まれてしまい、走るコースがない。

攻め手にかけ、こちらもパントに。

#4安田くんのパントキックがよく飛んでいるのが救いだ。

パンターとしても活躍するQB#4安田

 

府立大オフェンスもゲームの組み立てに苦戦しているようだ。

本来であれば#44を中心としたプレーでヤードをかせぐのであろうが、

名大Dがロングゲインを許さない。

QBからRBへのピッチがこぼれ、

またしても名大が好フィールドポジションでボールを得る。

 

2Qに入り、#6へのスポットパスが決まりそのままタッチダウン!

インパスはタイミングが違えばインターセプトを食らうだけに、

この勝負どころで投げて成功させた#2梶原くんを称えたい。

もちろん石川くんもナイスプレーだ!

この後、2Qはディフェンスの活躍が目立った。

MLBに入っている3回生#32石丸くんのタックルや、

OLB#42木佐貫くんのインターセプトなど、会心のプレーが続いた。

ナイスタックルを見せたLB#32石丸

名大のDB陣は上級生も多く、

タフな試合になっても十分に持ちこたえられそうだ。

2Qの後半、府立大のオフェンスが着実に名大Dへのアジャストを始め、

中央付近のランとオフタックルが出るようになった。

これは1本とられると思ったが、ホールディングの反則をとられ、

ロングシチュエーションから起死回生を狙う

#44のドローに#14の鋭いタックルが炸裂。

前半の残り時間は、府立大のパスがうまく通らずそのまま終了。

それにしても、個人的に#14藤居くんには注目している。

おそらくディフェンスの中でも相手のプレーが一番見えているのは彼ではないだろうか。

 

ハーフタイムにはPIスタッフが頑張ってグランパスグッズを売っていた。

また、応援団によるエールもあり、来ていた父兄の方々も盛り上がったのではないだろうか。

応援団は3回生の団長が一人だけだったのだが、新入部員が一人入ったようだ。

彼らのようなグランパスの“パートナー”を

今後も何とか支援していきたいと思っている。

 

さて、名大キックにより後半開始。

いきなり自陣40yds付近まで戻されてしまった。

キックオフラッシュ大丈夫だろうか?

今度は相手に好フィールドポジションを与えてしまい、厳しい展開になると思っていた。

すると、DL#67伊藤くんの激しいラッシュにより相手QBがボールをファンブルし、

こぼれたボールを#42が拾ってそのままタッチダウン!

相手のミスを逃さずに得点につなげることは重要なことである。

(フットボールらしいと言えるのかもしれないが。)

TFPも決まり21-0。

この日大活躍のLB#42木佐貫

 

府立大もまだ諦めてはいない。

#44へのスクリーンや#16のキープにより、

名大陣に攻め込み、いよいよ名大ゴールまで20ydsに迫った。

ここで#44のオフタックルをDL#53日比くんがメットをとられながらも果敢にタックル。

大きく観客席も沸いた。

(日比くん、チンストラップが緩んでいないか確認しましょう)

さらに相手の4thダウンギャンブルでのQBキープも#42がきちっと止めて得点を許さない。

 

4Qに入り、いきなり府立大#44へのスクリーンから長く走られてタッチダウンを奪われてしまう。

タッチダウンを奪われたことより、タックルミスが重なったことが印象的だが、

十分防げただけに不要な失点だったと思う。

 

その後の名大オフェンスだが、QBが3回生の#4安田くんに代わり、

彼のキープと#6へのパスが決まりタッチダウン。

この2人は来年もホットラインを作ってくれるだろう。

また続いて、#21の小刻みなカットバックによりゲインし、

最後は#4がそのまま持って走って得点した。

安田くんのランは、際立つスピードがあるわけではないが、

相手ディフェンスがよく見えており、走り方が上手いと思う。

彼の加入により攻撃のバリエーションが増えているのは間違いない。

 

最後は府立大の怒涛のパス攻撃を名大Dが防いでタイムオーバー。

結果は、34-6で名大の勝利である。

結果だけ見れば大勝であるが、

相手のミスからとった得点があったことを踏まえると、

それほどの実力差はなかったのかもしれない。

ただ、南山と違い、秋に戦う相手ではないからこそ、

色々なプレーを試せたり、控えの選手を出したりできたはずだ。

東海屈指の人数を揃えるチームであるから、

残り2ヶ月で下級生の戦力アップとプレーの完成度を高めて、秋に備えて欲しい。

春シーズンはこれで全部の試合が終了だが、

これから始まる暑い夏を有意義に過ごしてほしいと思う。


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